手術台を床面に固定するとき注意すべきこと
はじめに
手術台は、製造会社などによっても仕様が異なりますが、患者さんの安全を確保するためにも体を固定するアクセサリが用意されています。
また体の固定のほかに手術台がしっかり接地し、滑らないように固定することも大切なことです。
手術台を床面に固定するとき注意すべきことについて今回お伝えできればと思います。
手術台は床にしっかり固定して使用する!
手術台を設置する床は基本的に凹凸のある床であることが推奨されています。
その一方で、手術室を清潔に保つためには凹凸のない滑らかな床の方が清掃・管理しやすいともいえます。
粘土状のクリンカタイルなどもよく手術室の床に使われていますが、滑りやすいと危険を伴うので、表面に合成樹脂の塗装を施したものもよく使用されています。
また、手術台には固定ブレーキも備え付けられていて、手術台を移動しないときはブレーキをかけなければいけません。特に床がぬれているときや精密な手術を行っているときには、ブレーキをかけたつもりでも体重が乗ったりして重大な事故につながってしまうこともあります。
このようなケースでは車輪の下にゴム板等を敷き、決して手術台が動くことのないように徹底管理することです。
さらに命綱ともなるブレーキの種類には、足踏み式や電動式などがあります。
電動式の場合、当然電気がないと稼働しないので万が一の停電時のことも考えると、足踏み式の方が扱いやすく依然多く使われています。
手術台の足元は特にきれいに保つべき!
基本的に手術台の足元には車輪がついており、ほこりや血液等によって汚れてしまいます。
手術台の足元(基台)が床面に最初から固定されているタイプのものは、基台の裏面が汚れてしまうことはそれほどないですが、車輪式のものは移動したり手術台をひっくり返したりしないと床面と手術台の接地点を清掃するのが難しいといえます。
この点から見ても、床面に基台が固定された分離式手術台の方が安全でしょう。
分離式手術台の特徴
先ほど少し触れた分離式手術台は電源や制御コード等を床面に埋め込んでいるため、清掃が容易で安定度も高いといえます。
ただし、このタイプの手術台は建物の設計段階で埋め込み位置等を決定する必要が出てくるので、計画的に設置しなければいけません。
また、最近ではテーブルトップ部分だけを床から取り外しできたりする自由度の高い分離式手術台もあります。
まとめ
手術台を固定することは手術室内の安全面を考えたら基本といえますが、安易に考えると重大事故につながりかねません。
また、手動のテーブルトップ型手術台がメインだった時代から、現在は電気式手術台も一般的になってきました。
安全にも気を付けつつ施術しやすい手術台を選択することも大切なことといえるでしょう。