人工呼吸器を子供に使用するケースにはどんなことがある?

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はじめに

人工呼吸器を子供に使用するケースとしては「全身麻酔での手術時」「元々病気や障がいなどで、自力でうまく呼吸ができない」といったものがあります。
もし自分のお子さんが人工呼吸器を使用することになった場合、不安に感じる親御さんも多いでしょう。
今回は子供と人工呼吸器についてのお話をしたいと思います。

手術時に使用するケース

成人の場合でもそうですが、全身麻酔での手術を行うときに人工呼吸器を使用することがあります。
手術での痛みや苦しみを感じることなく無事に終わるように手術の執刀医以外に人工呼吸器については麻酔科医が全て担当します。

手術の前に薬で眠り、その次に気管に人工呼吸器につなぐ管を入れるので手術や人工呼吸器に対する不安や痛みを感じることはありません。
手術後、お子さんの状態に応じて目を覚ますようになっているか、少し時間を置いて容態の安定した後に目を覚ますようになっています。
その後、お子さんの体に人工呼吸器や麻酔による影響が出ることはほとんどありませんが、心配であれば事前に医師に相談すると良いでしょう。

人工呼吸器を装着して生活するケース

日常生活を送る際に医療的なケアと医療機器が必要になる子供のことを「医療的ケア児」と呼びます。
病気や障がいなどにより人工呼吸器を装着しているお子さんも医療的ケア児となります。
イギリスでは1998年に「小児在宅人工呼吸ガイドライン」が公表され、日本では2017年に初の「小児人工呼吸法マニュアル」が作られ、今後も改訂版の発表が検討されています。
また医療関係者用には「小児在宅人工呼吸療法移行支援パス」というものがあります。以下に紹介します。
1.導入期:自宅での生活への意思決定ができる
2.準備前期:日常生活ケア・医療処置の方法を習得することができる
3.準備後期:退院後の生活に合わせて準備をすることができる
4.移行期:家族のみでケアやトラブル対処をすることができる

お子さんやご家族が、人工呼吸器を付けていても自宅で生活を送ることができるよう医療スタッフによる指導や話合いを行います。
自宅では病院関係者はもちろん、訪問ヘルパーやケースワーカー、ケアマネージャーなどに定期的に支援を受けたり相談をしながらこれからの生活などの目標設定をしていきます。
状態によっては支援施設や学校で車いすやバギーに乗って日常生活を送るお子さんもいます。

まとめ

手術のケース以外で常に人工呼吸器をつける生活となっても、お子さんが成長しながら自分で暮らしを立てていくことができるようになれば、成人して一人暮らしも可能になります。
人工呼吸器を使用して在宅で生活するお子さんやご家族への多方面からの支援や理解を広め、負担を減らし生活圏を広げていけるようになるには私たち健常者の協力や応援も必要です。

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