MRIの磁力による注意とMRIの技術
MRI(磁気共鳴断層撮影装置)は磁力を用いる装置になり、磁場を利用して体内の様子を画像化するので、X線撮影やCTのように被曝の心配はありません。安心できるMRIですが、MRIの強力な磁石により磁性体が引きつけられる事故が増えています。注意をしないと思わぬ事態につながります。
MRIの磁力による注意
MRIは副作用が少なく、人間に磁力は8テスラまでは無害だとされています。軽い乗り物酔いの症状が出る患者もいますが、長らく影響が残っていくものではありません。しかし、MRIは磁力があまりにも強力なので、そばにある金属製のものや患者の身に着けているものなどは吸い込まれてしまいますので、気をつけないといけません。
MRI検査は次の方は受けられません
・可動型義眼(マグネット型)をしている方
・ペースメーカー・除細動器の方
・眼窩内の金属片(失明の可能性があるので注意が必要)の方
・神経刺激装置などの体内電子装置の方
・体内で動くものや、脱落の可能性がある金属を挿入されている方
また、検査前に処置が必要な場合があり、次の方はかかりつけ医師にMRI検査をしてもよいか確認しましょう。
・歯の矯正をしている方
・磁石を利用した入れ歯をされている方
・人工弁をされている方
その他にも「化粧品」も気をつけることがあります。「化粧品」の中には磁性体を使用しているものもあり、肌を傷つけたりすることもあるので化粧はつけないのがよいとされます。
イヤリングやネックレスはもちろん、カラーコンタクトレンズも金属が利用しているものもあるので、外しましょう。
「いれずみ」は色素に鉄粉を含んでいることがあります。電磁波の影響で熱を発することもあるので、皮膚が火傷を起こすことがあります。
「増毛パウダー」なるものでMRIが故障するという事例も発生しています。染料で酸化鉄が含まれることがあるためです。患者が原料まで知って利用している方は少ないはずですが、何もつけないように伝えておきましょう。これらのことはMRIの故障の原因となるため、MRI利用する前には十分な注意が必要になってきます。
最先端のMRIの技術
MRIは傷みもなく副作用も少ないです。急速に普及していて全国で利用されています。さらに「高磁場MRI」では大きな期待が寄せられます。
「高磁場MRI」になると、より薄く細かく画像が撮影できます。断面を撮影すると、画像の鮮明度が高まり、今まで見つけられなかった小さな病気を早期発見しやすくなります。
今まで見えなかったものが見えると、神経伝達物質まで間接的にとらえ、精神神経疾患の病態解明で大きな助けとなると期待されています。
まとめ
定期的に病院内のMRIによる安全対策の伝達を行ってください。担当が変わる場合にも伝達の徹底をしましょう。高価なMRIになるので故障や事故につながる前に、患者の検査前には十分なチェックが必要になります。