心電図のT波って何ですか?
人間ドックなどでお世話になるであろう心電図検査ですが、私たちの健康という意味で大きな役割を果たしています。今回は、心電図の波形の一部であるT波を中心に紹介します。
仕組み
心電図とは、心臓の動きを測定するものです。実際は表面にパッドを貼り付ける形で電極を設置しながら測ります。その活動を記録しながら、健康状態を知ることができますので、健康診断などでも重要な位置づけとなっています。QRS波は電気的興奮を与えながら心室に伝搬する行程を記録し、消褪課程に対応しているのが今回お話するT波です。
心室での興奮に対し再分極は内膜から外膜へと行われ、心室筋の電気的安定性等の判断をしやすくするというメリットがあり、形状については電気現象を反映しやすくなっているため、心臓部分の異常を知ることができるのがこの心電図の役目であるからです。
T波の見方による診断
まずは、正常な状態について説明しましょう。波高が1.2mV未満でR波が1/10以上あれば正常であるということです。数値によっては陰性と陽性に分類されることがあり、若い世代の方や女性などは場合によっては結果が前者であることが判断されやすいので、この結果だけでは心臓に異常の有無について判断しづらいのが現状です。
それ以外にも、T波における種類について紹介しましょう。実際は三種類存在し、それぞれの役目を果たしているからです。
増高
本来は山の形をしているのが普通ですが、その高さが異常に高いと判断された場合に結果として表示されます。原因は、血液中のカリウム(正常範囲とされる濃度は3.5~5Eq/Lとなる)の過剰摂取や心臓そのものが肥大となってきた場合(高血圧などによって発生しやすい傾向にあることから)で多く見られます。
心臓そのものの機能低下により、体全体に血を送り込むことが困難になったことが原因であり、心電図にも大きく影響が出たことを意味しているからです。
平低
前述の増高に対しフラットになった状態であり、心臓の筋肉に負担がかかったことからスポーツを経験された方は診断結果で主治医からそう言われた方もいらっしゃるのではないかといわれるほどです。また、女性でも状態が健康である場合にも見られます、肥満の場合にも症状が現われます。どうして女性に起こりやすいのかというと、その特性に原因があり、生理や感情的なストレスなどといった事象によるものです。
陰性
波形のうち、本来は山の形になっているはずが谷のようにへこんでいることが、この結果です。ST低下という意味もあり、虚血性心疾患や内分泌などで不定期的にみられる症状であるほか、特に何も異常が認められない場合でも起こりうる事象となっています。
対策としては自覚症状が何よりも大切なことですが、エコー検査や運動負荷試験やCT検査などを実施した後に問題がなければよい(ただし、ある一定の定期間隔を設けながら推移を見守っておくことになる)のですが、異常ありと判断された場合はカテーテル検査を受ける場合があります。
まとめ
心電図のT波についてまとめましたが、結果次第によって解釈が違います。人間ドックなどでの検査を終え、そのデータが手元に届くときはまさに一喜一憂したくなるものです。