CT装置の構成の仕組みと役割の紹介
CT装置とは、X線を使用した医療用の画像診断装置の事です。正式には、Computed Tomographyの略語であり、コンピュータ断層撮影法と呼ばれる医療機器の事です。この画像装置の進化は医療の発展に役立っています。今回は、CT装置の構成の仕組みと役割について紹介しましょう。
CT装置の仕組みについて
CT装置には、X線を利用した画像診断装置を配備しています。1pm-10nm程度の波長の長さで電磁波を放出しています。これ自体は放射線なので、被爆しないように機器の工夫がなされており、人体に影響が出ないようになっています。
検査をする患者さんは、寝台の上にあお向けに固定されて、その周りを円筒形の大きな筒が人体の周りを回転しながら撮影する方法です。X線管球から照射されたX線は、人体を通り抜けてその情報を受け止め、コンピュータによって画像の処理を行う仕組みになっているのです。
画像構成について
基本的な画像はモノクロでの映像ですが、X線の吸収度の高い部分は白く表示されて、X線吸収の低い部分には黒く表示されます。白い部分を、「高吸収域」「高濃度域」「透過性低下域」と表現して、黒い部分を「低吸収域」「低濃度」「透過性亢進域」と表現しています。
基本的な画像は平面的な画像の集合体となっており、マルチスライスCTによって動画のように表示されます。スライス厚が薄く表示される事で、輪切りの画像を再構築する技術によって3次元画像として表現する事が出来るようになり、この「3次元のボクセルデータ」により、様々な観察方法を実行出来るようになったのです。
CT装置の構造の紹介/h2>
一般的な装置はシングルスライスによる装置で、X線の検出器が1列のみですが、マルチスライスと呼ばれているCT装置は16列以上の検出器を搭載しており、1回転で16スライス以上を撮影する事が出来るので、大幅な時間短縮が可能になっています。以下は、大きく分けて3つで構成されており、それぞれの構造の特徴を説明しています。
1.「ガントリ」の特徴
ガントリとは外観はドーナツ状になっていて、X線や磁気の発生器、検出器などが収納されている部分になっています。X線を放出する部分である発生器と、それを受け止める検出器によって、人体の周りを360度回転する事で画像の診断処理を行っています。
ガントリの内部には、高電圧発生装置や電源ケーブルなどの精密な機器が組み込まれている為、電圧の変化や適切な処理にも注意が必用です。
検出器付近にある「データ収集システム」は、Data Acquisition Systemと呼ばれるDAS部分で、光通信によってコンピュータ部分となる「コンソール」へ情報を送り出します。DAS部分は、X線の画像処理をアナログのデータから、デジタル処理された情報へと変換する役割を持ちます。最大320列の検出器を備えたMDCTもあります。
2.「クレードル」の特徴
わかりやすく言うと寝台の部分です。クレードルは上下左右に位置の調整をする事で、患者の身体的特徴に合わせて調整を行う事が可能になっています。ガントリ開口部に、調整の為の装置が収納されています。
正確な診断をする為に、頭の部分を固定するヘッドホルダやヘッドストラップ、体の部分を固定するボディストラップは、患者の安全性の為にも必要な装備になっています。
3.「コンソール」の特徴
画像処理を行うモニター部分で表示を行うコンピュータとキーボードとなっており、マウスによって操作を行います。他にも、撮影室とインターフォンで連絡を取り合う事や、操作盤の装置とネットワーク装置が備わっており、機械の処理だけでなくネットワークによる情報管理なども出来るようになっています。これらをまとめてコンソールと呼んでいます。正確なデータの情報を管理する事が出来るようになっています。
まとめ
CT装置の構造は3つの部分ですが、その装置の撮影技術はマルチスライスや3次元画像にまで進化しており、今後の医療現場での活躍に期待が出来ることでしょう。撮影方法にもいろいろ方法が用意されており、特殊な撮影にも対応出来るようになりました。今後もCT装置の進化が医療技術全体の発展に寄与していくことでしょう。