大腸ファイバースコープ検査で大腸がんの早期発見!
ファイバースコープによる大腸検査を行った経験のある方はいると思いますが、2018年の統計によるとがんで死亡した日本人は約37万人で、大腸がんの死亡率が男性3.0%、女性2.2%でした。今回は、この大腸の検査にも用いられるファイバースコープについて調べていきましょう。
ファイバースコープとは
直径約10μmの細い糸状の物質やプラスチック繊維を、数多く束ねた屈曲した経路を通して光を伝え自由に曲る特性を利用して、人の内臓などを見る「光学器械」です。5~10μmほどの極細の光学ガラス繊維を束ねて、前後にレンズ・観察鏡をつけ、光源、操縦レバー、資料採取器など、胃検査鏡として開発されました。
その他、心臓検査、子宮検査、内臓検査など、多種類のファイバースコープが開発活用されています。
内視鏡とは
体腔内に挿入して、腔内面や臓器表面の観察や写真撮影するための器械を内視鏡と言います。金属管の硬性内視鏡と自由に屈曲できる光ファイバーでできた柔軟性ファイバースコープです。
〇 口から挿入する「喉頭鏡、気管支鏡、食道鏡、胃鏡、胃カメラ、十二指腸鏡」
〇 肛門から挿入する「直腸鏡、尿道から挿入する尿道鏡、膀胱鏡、腹壁や胸壁」
〇 小切開を加えて挿入する「腹腔鏡、胸腔鏡、縦隔鏡」
などがあります。
ファイバースコープと内視鏡
ファイバースコープはカメラを搭載せず、レンズを覗いて直接スコープの先を確認する装着で、検査者だけが状態を見ることができないため情報の保存が困難でした。現在は軟性内視鏡が使用され、ファイバースコープより内視鏡と呼ばれることが一般的になりました。
大腸がんとは
大腸がんは「結腸・直腸・肛門(大腸)」に発生するがんです。良性腫瘍ががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあり、日本人はS状結腸と直腸にできやすいといわれています。大腸の粘膜に発生して次第に大腸の壁に侵入して外まで広がり、腹腔内に散らばり、大腸壁中のリンパ液や血液の流れに乗って、リンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移します。
内視鏡検査で大腸がんの早期発見と予防
大腸がんは、早期発見で予防や治療がしやすいがんであることを一般の人にはあまり認識されていません。「早期発見が可能」「進行が遅い」「治療法が確立している」などの要素が高生存率につながります。
まとめ
最近は、小型カメラを内蔵したカプセルを口から飲み込むことで、小腸や大腸の内部を撮影することができるカプセル内視鏡も開発、実用化されています。このような内視鏡技術の発展は検査の精度向上のみならず、検査を受ける患者の負担軽減や治療法の進歩にも大きく貢献しています。