血圧計の送気球に付属しているネジについて

生体現象測定記録・監視用機器

成人病などが増えている昨今、血圧計が果たす役割は大きなものになりました。ここでは、その血圧計のなかでも臨床的に技術が必要であるアネロイド式血圧計と、そのネジの扱いについて一緒に見ていきたいと思います。

血圧測定の意義

血圧とは、心臓から全身に送り出される血液が血管壁を展延することによって生まれる圧力のことです。血圧は心臓が収縮するとき最も高い数値を示しますが、これを収縮期血圧といいます。また、心臓が拡張するとき最も低い数値を示しますが、これを拡張期血圧といいます。

血圧は、血管壁の弾力性、循環血液量、拍出量、血液の粘度、末梢血管の抵抗といった要因によって影響されます。血圧の値は血液の循環動態を知るキーポイントとなります。とくに高血圧は、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす重要な要因となりますので注意が必要です。

臨床的に適した血圧計

臨床で使用されている血圧計では、アネロイド式血圧計が多いようです。電子血圧計というものもありますが、聴診法では低血圧やショック時など血圧を測ることができない場合がたびたびあります。その際にはこの血圧計を使用することで、正中皮動脈や橈骨動脈の触知を確認することで、収縮期血圧を確認することができます。

アネロイド式血圧計の構造とネジ

アネロイド式血圧計とは、腕帯巻き付けるカフにかかった圧力を、文字盤と針で示す方式の血圧計です。
カフを腕に巻いて膨らませたら、動脈を閉塞した後に空気を抜いて、血液が再度流れはじめる時の血流による血管音を、聴診器を使って聴き取りをしながら、文字盤の指針を見て測定します。

この測定法には、聴診器を用いなければならず、血圧測定に関する知識と技術が必要になります。送気球についているネジについても注意が必要です。

測定法は、血圧計のカフ圧をかけます。拍動音が聴診器で確認できるか試してみます。血圧の値が予想よりも上回っている場合や、予想に反した最低血圧の値が出た場合には、カフからネジで空気を抜き、カフにかかっている圧を緩めることで拍動音が聞こえる状態をさがします。

ポンプで空気を挿入しても、カフ圧が上がっていかない場合には、送気球のネジで調整します。使用後は、カフを抜きます。

送気球とネジの扱いについては、以下をご参照ください。
(1)送気球は利き手で持ち、掌におさめます。ネジは拇指が上、示指が下になるように持ちます。
(2)ネジを締める方向を誤らないようにします。(時計回りで締め、反時計回りで空気を抜きます)
(3)加圧してみて、空気の抜ける音がしないか確認しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。血圧計とそれに付属するネジについて語ってきました。安全に運用するため、その仕組みをおさらいしておくことは有用です。事故のないように、注意しましょう。

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