心電図を見る時に使われる略語

診断用機器

心電図とは、心臓の発する電気信号の様子をグラフに表示・記録する物です。心疾患の診断・治療の為に広く使われている医療機器ですが、その心電図を使用する際にはたくさんの用語・略語が使われています。今回はそれらの一例をまとめました。是非、学習に役立てて下さい。

心電図を見る時によく使われる用語・略語の例

◎アレスト
心停止の状態を指します。心臓が動いていても、拍出量が不十分な状態。

◎アール(右脚ブロック)
右脚の刺激伝導系が正常に機能していない状態を指します。

◎1度房室ブロック
房室結筋とその周囲での伝導障害により、心房から心室への刺激伝導が遅れる状態を指します。1度房室ブロックでは、患者に自覚症状はなく、心拍数も正常に保たれます。迷走神経の過度な緊張が主な原因とされています。

◎エルビービー(左脚ブロック)
左脚の障害によって刺激が伝達されない状態を指します。

◎エーブイブロック(A-Vブロック)
心房から心室迄の刺激伝達が悪くなる状態。

◎冠性T波
左右非対称の陰性T波。心筋梗塞後の心電図に表れます。

◎完全房室ブロック
3度房室ブロックとも言います。心房から心室に刺激伝導が全く伝わらない状態を指します。房室伝導障害によって生じます。
心房と心室の収縮が連動せず、徐脈となり、心拍数や血圧が低くなる場合が多いのが特徴です。

◎期外収縮
心臓が洞調律とずれたリズムで早期に収縮する事を指します。不静脈のうち、最も多く見られます。心房で発生した場合は心房期外収縮、心室で発生した場合は心室期外収縮と呼びます。

◎QT延長
QTの間隔が0.40秒より長く、QTCが0.44秒以上の場合を指します。

◎QT間隔
QRS波開始点からT波終了点までの間隔を指します。心室筋の電気的な収縮の時間です。

◎高カリウム血症
血清中のカリウム濃度が心筋梗塞や激しい運動などで上昇し、細胞が破壊されてカリウムが細胞外へ出た状態を指します。

◎高度房室ブロック
本来、心房から心室へと伝わる刺激伝導が、完全に途切れる完全房室ブロックと同様の状態です。心不全症状、易疲労感などの症状を引き起こします。原因となるのは心筋梗塞による心筋細胞の壊死などです。

◎呼吸性アシドーシス
肺疾患や胸郭運動の障害によって、肺から二酸化炭素を十分に排泄できなくなった状態の事です。

◎心筋梗塞
虚血性疾患の一つで、冠動脈の閉塞などにより、心筋が壊死してしまった状態を指します。
因みに狭心症は心筋が虚血状態になる為に起こる事は同じですが、壊死には至らなかった状態の事を指します。

◎心原性ショック
心疾患による低心拍出量によって血管が拡張し、ショック状態となる事を指します。

◎心房期外収縮
心房内や心房の接合部の付近で起こる異所性興奮を示す事であり、本来の興奮に比べて早期に収縮が起こる病状です。心電図でのP波が確認できない場合があるが、QRS波は正常な状態を示します。

まとめ

今回は、心電図に関する医療用語とその意味・略語についてお伝えしました。用語の数は非常に多く、まだまだお伝えしきれませんが、少しでも学習の手助けになれば幸いです。

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