MRIの認定技師の役割について
MRI認定技師(磁気共鳴専門技術者)は放射線技師などが取得する資格で、技師全体の中でも取得者が非常に少ない資格です。磁気共鳴画像診断装置は強力な磁場と電波を使い、体内の断面画像を撮影する検査装置です。CTと違い任意の角度の断面が撮影可能で、X線のような放射線を使いませんが、診療放射線技師が検査に携わる機会が多いです。
MRI認定試験とは
MRIに関する診療放射線技師が取得できる専門的な理論と、技術の理解を証明できる認定資格です。認定資格が無くてもMRIを取り扱う仕事には携われますが、正しい知識や現在の環境を鑑みる目的で受験されるのもよいでしょう。
受験資格と申請書類
2021年度の受験資格と試験申し込みの概要です。年ごとに改訂されていますので、認定機構のホームページも併せてご覧ください。
申請時に以下の構成7団体のいずれかに、2年以上在籍していなければなりません。
〇日本磁気共鳴医学会
〇日本医学放射線学会
〇放射線科専門医会・医会
〇日本放射線技術学会
〇日本放射線技師会
〇日本臨床衛生検査技師会
〇日本医用画像システム工業会
学術成果
MRI操作経験年数は問われませんが、MRIに関する学術研究発表を3回以上か、学術誌への論文1編以上を有することが求められます。しかし、JART(日本磁気共鳴専門技術者認定機構)の会員の場合、医療安全学・救急医療学・医療社会倫理学・MRI検査の4科目を習得していれば、学術成果の項目を免除される特例があります。
施設の安全管理
被験者・スタッフのための施設に常備されている安全管理マニュアルの提出(試験の準備のために作成し、運用予定のマニュアルでも可能)。
精度管理
日本磁気共鳴専門技術者認定機構が提示した、装置に関する精度管理の性能評価と、指定された科目の測定結果の提出が求められます。
受験申請方法
受験票は個人でダウンロード、性能評価試験の安全管理マニュアルといった提出物は、web送信でのやり取りになります。初回のみ書類審査費用3,000円が必要になり、認定試験受験料7,000円を(受験後10日以内に)支払います。支払いが無かった場合、認定証発行と今後の再試験の権利を失ってしまいますので注意しましょう。
まとめ
MRI技術者試験は疾患の診断を行う上で非常に役立つ、現場で大きく貢献できる資格です。
受験の条件は比較的緩く、他の放射線技師の資格と比べ合格率も高いです。試験の書籍以外にも磁気共鳴専門技術者認定機構のホームページに過去問題が掲載されていますので、うまく活用してみてください。
試験会場では、コロナウィルスの影響により感染症対策が実施されますので、マスク・フェイスガードやソーシャルディスタンスといった自身でできる対策を怠らないようにしましょう。