全身麻酔器取り扱いの注意点?

治療用機器

手術など施術する場合、麻酔器は欠かせない医療機器です。これが正しく作動しなければ手術自体が施せません。麻酔器は手術に絶対必要な機器ですが、今回この麻酔器を取り扱う際の注意点を中心に解説したいと思います。

麻酔器の目的と構造

この医療機器は、薬物などを神経に作用させ痛みを除くため、一定の間その痛みを感じさせない状態を作ることにあります。大きくは、「全身麻酔」と「局所麻酔」の二つになります。抜歯するとき、ちょっとした切開をする場合、麻酔薬の入った注射を打ちますが、これは局所になります。

全身の場合には、①意識を失くす②筋肉を弛緩させます③痛みを感じない状態にします④手術による反射を生じなくします。以上の働きがあります。

全身に施すとき静脈から注射する静脈麻酔法と、口・鼻から薬を吸入させる吸入麻酔法がありますが、全身の場合は必ず麻酔器を用いて必要とする酸素を供給しながら管理して行っています。

機器の構造は大きく「ガス供給部」と「呼吸回路部」からなっています。ガス供給部から、薬剤を気化させ、そこに酸素及び笑気ガス(亜酸化窒素)を混合して麻酔ガスを生成して、呼吸回路部で生成されたガスを患者に送り、患者が吐き出したガスを再度循環させ呼吸を管理しています。

機器使用中の注意点

施術中に何かの原因により、医療ガス設備または主ボンベのガス供給が突然途絶えてしまう可能性に関して、常にその対策を立てておくことが重要です。そのような場合、緊急用自己膨張式バックを常備して機器は酸素及び亜酸化窒素、または酸素ボンベを少なくとも、常に装備して直ぐに使える状態にしておくべきです。

亜酸化窒素ボンベは直立した状態で使用します。また酸素ガス配管設備からホースアセンブリ(酸素・亜酸化窒素など)を機器に結合する前に、流量計の検査をかねて補助ボンベ内容量の圧も目視で確認します。

酸素の供給圧に不具合が生じたとき、亜酸化窒素ガス遮断安全装置が備えられています。それは、酸素濃度の低い混合ガスの供給を続けるよりは、他の全てのガスの供給を停止する方がより安全と考えているためです。関連作業の後に、窒素の供給が遮断されていることを確認します。

酸素流量が下がるとともに亜酸化窒素流量も下がり、酸素流量と亜酸化窒素流量とが共に0になることを目視して確認します。

術中の麻酔科医の働き

この機器を実際運用するのは麻酔科医です。上述した点など注意しながら使用します。この機器を使う医師の働きは以下のようなことが挙げられます。

・集中治療室での重傷者の管理
・救急医療での救急医としての活動
・手術中の麻酔、全身管理
・ペインクリニックでの疼痛治療 など

手術室では患者を迎え麻酔医は心電図を付けたり、点滴を行ったりします。患者が眠りに落ちた後、この医師はマスクを患者の口にあてバックを押しながら肺に空気を送ります。薬がよく効いていれば、喉に人工呼吸器のための管を挿管します。挿管後、呼吸音を聞いて問題なく呼吸ができているかを確かめます。

その間医師の目や耳は患者や各種のモニターの間を駆け回ります。その後人工呼吸器を作動させ、追加の静脈ラインを採り必要なモニターを装着します。この医師の最も緊張するときは、導入と覚醒時です。手術は主治医を始めとして、看護師やサブとして補助している医師、そして麻酔科医などの働きにより支えられなされています。

まとめ

今回全身麻酔器の取り扱いの注意点などについて書いてみました。人工呼吸器は患者自身の呼吸の管理だけではなく、生命の維持ができないような状態になった際には、人工的に呼吸を補助する重要な機械です。

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