手術台の法定耐用年数を知って節税に活かそう! ~減価償却や特別償却~
病院に装備されている医療用器具ですが当然使用期限があり、壊れたりなどの不具合が生じます。そのような場合は、廃棄して新しいものに交換するしかありません。つまり、新たな設備投資が必要になります。器具には耐用年数がありますが、これは使用期限ではなく税制上の処理をするために定めているものです。
手術台の法定耐用年数
医療機器の範疇とされる手術台。法的な耐用年数は、5年と定められています。この耐用年数は、医療設備などを税務処理するために定められたものです。この年数を知っていることで、節税や上手な設備運用をしていくことが可能になります。
さて、ここで混同されがちな各医療機器のメーカーが定めている「耐用年数」と「耐用期間」の違いです。年数は税務処理のために定められたものですが、期間の方はメーカーが提示している機器の使用できる実際の期限の目安です。
税務上の観点において、対象となる固定資産を使い切ると予想される年数のことを「法定年数耐用年数」と呼びます。そのため、法定耐用年数を過ぎたからということで使用できなくなるわけではないのです。
減価償却の考え方
耐用年数は税務上定められたものであり、減価償却という考え方と関わってまいります。手術台は「有形固定資産」となります。その評価は、会社法では取得額または制作価額をつけ決算期毎に相当の減価償却がなされるものとして、原価主義の立場をとっています。
減価償却は各々の資産において耐用年数と残存価額とを決め、原価からその価額を差し引いた額を耐用年数に応じて決算期毎に配分することです。また、減価償却費用とは、手術台を取得したときにかかった出費を計上せずに、耐用年数(5年)に応じて少しずつ算入していくよう分割していく費用です。この費用は経理上、勘定科目として仕訳されます。
医療機器の特別償却について
医療機器の購入には特例があり、初めての年度に大きく償却をすることができます。これは新機種導入や買い替えなどしやすくするために設けられた措置です。この特別償却は、一定の医療用機器の購入費用の減価償却を行う際に、初めの年度の償却費を加えることができる制度です。
初めの年度の特別償却は、取得価額の12%です。仮に、1,000万円の機器を買い入れ、耐用年数が5年と仮定します。「低額法」では償却費が毎年度一定となり、初めの年の償却費は200万円となります。
一方、特別償却を活用すると、取得価額1,000万円×12%=120万円上乗せされて320万円を償却費にすることができます。
ただし要件として、【青色申告を行う医療機関・新品の購入品・取得価額が1台で500万円以上・中古品の購入やファイナンシャル・リースなどは特例を受けることはできない】などがあります。さらに対象となる機器は厚生労働大臣が指定するものです。
手術台は指定対象に含まれています。ちなみに、1台の取得価額が500万円以上である要件がありますが、500万円を超える機種もあります。
まとめ
手術台の法定年数や節税に関する特例などに触れて解説しました。機器の種類によって年数は異なりますので、上手く償却して経理的に効率よく運営して頂ければ幸いです。