病院で注射針など医療廃棄物を適正に処理するために必要なこと

生体現象測定記録・監視用機器

病院など医療機関から排出される廃棄物として、紙くず類・プラスチック・ガラス・注射針といった鋭利器材が挙げられます。

他にも血液・体液を含むガーゼや臓器などその種類は様々ですが、医療現場で廃棄物の分別について正しい知識がなければ、どこに何をどのように廃棄するべきかわからなくなってしまいます。

特に注射針などの針刺しや切創といった事故も起きかねず、抗がん剤曝露といったリスクも懸念されることとなるでしょう。

そこで、医療機関での廃棄物はどのように処分すればよいのか、その取り扱いについて説明していきます。

廃棄物の区分

1971年、新たに廃棄物処理法が制定されてからは、廃棄物は「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に区分されるようになりました。

このうち「一般廃棄物」は一般家庭から排出された廃棄物で、「産業廃棄物」は事業活動で排出された廃棄物です。

さらに1992年に廃棄物処理法の一部が改正され、特別管理廃棄物制度も導入されています。

「特別管理廃棄物」とは、爆発性・毒性・感染性・人の健康または生活環境に係る被害を生ずるリスクのある廃棄物とされており、「特別管理一般廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」に分けられます。

一般廃棄物と特別管理一般廃棄物は市町村が適正に処理することが責務とされていますが、自治体によっては処理能力を有していないケースも見られることから、医療機関などは自治体の処理体制を確認した上で処理業者に委託するかなど決めることが必要です。

また、特別管理産業廃棄物など産業廃棄物も、医療機関などが自らの責任で処理することが必要となるため、都道府県知事の許可を得た産業廃棄物処理業者に委託するなど検討しましょう。

感染性廃棄物の取り扱い

「感染性廃棄物」とは、医療関係機関などから出た廃棄物のうち、人への感染リスクのある病原体が含まれているまたは付着している廃棄物やそれらのリスクがある廃棄物です。

特別管理廃棄物に含まれる廃棄物で、感染性一般廃棄物と感染性産業廃棄物に分けられます。

医療現場では区分後に廃棄せず、感染性か非感染性かの判断により、感染性が認められるものは感染性廃棄物として処理を行っています。

感染性の判断は、形状・排出場所・感染症の種類について判断することとなります。

感染性廃棄物を収納する容器は、

・密閉できること

・収納しやすいこと

・損傷しにくいこと

といった3つの条件がそろったものでなければなりません。

感染性廃棄物の形状がわかるようにバイオハザードマークを使用し、それぞれの形状に合った梱包容器を使うことも必要です。

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