医療機器が原因の事故で裁判になったとき責任を負うのは誰?

生体現象測定記録・監視用機器

医療現場では様々な医療機器が用いられているため、その医療機器に関連する医療トラブルも少ないとはいえません。

たとえば内視鏡を使った手術を行った際、術後の画像検査で異物が確認されたため、摘出すると内視鏡の部品の一部だったという場合、患者から手術に伴う損害賠償を請求されても不思議ではありません。

ただ、このようなケースでは、医療機器を使用した医療者に責任なのか、それとも医療機器の製造販売業者が責任を負担するべきなのかどちらなのでしょう。

そこで、医療機器に関連する医療トラブルで裁判などになった場合、その責任は誰が負うのか説明していきます。

医療機器メーカが責任を負うケース

医療現場ではさまざまな医療機器を使用していますが、医療機器自体に欠陥があったときや、医療機器メーカーが医療機関に使用やメンテナンスについて詳しい説明をしていなかった場合には、適切な医療機器の使用が難しくなるため事故が発生すれば医療機器メーカーが責任を負うことになります。

医療機器メーカーに対する損害賠償請求の法律的な根拠は、製造物責任があげられるといえるでしょう。

製造物責任は製造物責任法に規定されている民法の不法行為の特例であり、製造物の欠陥を証明することが必要となります。

製造物責任法第三条には、製造物責任として次のような規定がされています。

“製造物責任法 第3条(製造物責任)
製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。“

医療機関が責任を負うケース

医療機器メーカーの説明には特に不備がなく、医療機関が機器の扱い方を間違っていたなど問題があったときには、医療機関が責任を負うことになります。

ただ、メーカー側の説明に不備があったものの、医療機関の機器の扱いにも問題があったという場合には、双方に責任が生じることになると考えられます。

医療機関が責任をおうときに問題となるのは医療機関の使用者責任です。

メーカーから販売承諾を得ていない中古医療機器を使用していたときや、定期点検を行っていない医療機器を使っていたときに事故が発生したのなら、その医療機器を使っていた医療機関に使用者責任が発生することがあります。

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