【心電図】胸部誘導を正しく装着するコツ

生体現象測定記録・監視用機器

心電図は体表に装着した電極から心臓の電気的な興奮信号をさまざまな方向から読みとって増幅させ、その信号を波形として記録するものです。12誘導心電図は12の方向から記録する標準的な心電図です。

○12誘導心電図でわかること
12誘導心電図では以下の情報を得ることができ、診断に役立てることができます。

①不整脈の有無(重篤な不整脈の鑑別)
②狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の鑑別
③電解質の異常(カルシウムやカリウムなど)
④心房・心室肥大
⑤心臓弁膜症
⑥自律神経障害
⑦内分泌疾患(甲状腺機能障害など)
⑧薬剤の効果・副作用
⑨その他の心疾患

○胸部誘導電極を正しく装着するコツとは?
12誘導心電図には四肢末端に装着する「四肢誘導」と胸部に装着する「胸部誘導」があります。新人看護師の登竜門となるのが胸部誘導の装着位置を覚えることではないでしょうか。胸部誘導と四肢誘導の装着位置は以下の通りです。

●胸部誘導
・V 1誘導【赤色】…第4肋間の胸骨右縁
・V 2誘導【黄色】…第4肋間の胸骨左縁
・V 3誘導【緑色】…V2とV4の間
・V4誘導【茶色】…左第5肋間で鎖骨中線
・V 5誘導【黒色】…左第5肋間で前腋窩線
・V 6誘導【紫色】…左第5肋間で中腋窩線

●四肢誘導
・a V R 誘導【赤色】…右手
・a V L 誘導【黄色】…左手
・a V F 誘導【緑色】…左足
・アース【黒色】…右足

胸部誘導を正しく装着するためには第4肋間を確実に触診できることが大切です。第4肋間はランドマークが少ないため触診が苦手という方も少なくありません。第4肋間を触診するためにはまず第2肋骨を触診し、そこから肋骨を数えて第4肋間を触診していくとよいでしょう。第2肋骨は胸骨角(胸骨柄と胸骨体の間)と水平に位置しています。
電極を装着した後は記録を開始する前に胸部誘導と四肢誘導のコードをもう一度「色」で確認する習慣をつけておきましょう。

○測定の手順を決めておく
心電図を正しく測定するためには電極の装着位置も重要ですが、測定までの手順を決めておくとミスが格段に少なくなります。測定の手順は以下を参考にしてみましょう。

①心電計の電源をONに入れる
②患者様へ検査の説明をする
③心電計の設定を行う
④胸部誘導の電極を装着する
⑤四肢誘導の電極を装着する
⑦仮測定を行う
⑥記録を開始する
⑦波形を確認する
⑧電極を外す

「⑦仮測定を行う」において波形に雑音が入る場合には電極の装着位置や干渉を起こしている機器などがないか確認をしましょう。

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