医療機関の節電方法とは?高騰する電気代を節約するための電力消費量削減方法
病院運営ではたとえ非常時でも安定した電力供給が求められますが、高騰する電気代に経営が厳しい医療機関なども少なくありません。
そもそも電力消費量を抑えにくい環境にあるため、電気代高騰の影響から早急にコスト削減策を検討したくても、どこの電力消費量を抑えるべきか判断が難しいと考えられます。
そこで、病院運営において電力消費量がなぜ多いのか、節電方法や電気代節約のための電力消費量削減方法について解説していきます。
医療現場の電気代相場
環境省が公表している病院の電気代は、500床以上の病院で年間1億円程度とされています。
この電気代を1か月に換算すると約833万円となり、100床程度の病院では年間の電気代は2,000万円前後とも考えられます。
個人医院は231㎡程度であるため、たとえば歯科医院で1か月6万円程、歯科以外のクリニックなら1か月10万円程と考えられるでしょう。
医療現場の電気代が高騰しやすい理由
医療機器は、ICUや急患対応で使用する設備なども含まれ、24時間稼働が必要となる機器もあります。
そのため医療現場の消費電力量は大きくなりがちで、他の業種よりも電気使用率が高めです。
特に入院患者を治療する病棟は、他の医療施設よりも電力などエネルギー消費量が多いため、電気代が高騰しやすいといえます。
医療現場の節電方法
医療現場の節電方法として、主に次のようなことが検討できます。
・エネルギーを自動制御する
・LED照明を活用する
・コンセントをこまめに抜く
・空調の利用を見直す
それぞれ説明していきます。
エネルギーを自動制御する
病院にエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入することで、使用する電気を見える化できます。
エネルギー使用状況を常時監視することで、一部の設備を自動制御しつつ省エネ化を図ることが可能です。
データをもとに照明や空調の使用を見直すことや、省エネ機器に交換するといった対応が可能となるでしょう。
LED照明を活用する
LED照明へ交換することでも電気代を節約できます。
多くの部門で長時間照明を使用することが多いため、LED照明に交換すれば蛍光灯よりも電力を抑え明るさも維持できます。
コンセントをこまめに抜く
事務用機器や調理機器、電気式ポットに冷蔵庫など、消費電力を抑えることのできる設定に変更することや、使用しないときにはコンセントをこまめに抜くことで電力消費量を抑えることもできます。
医療機器と直接関連していない機器の使用については、節電意識を高めたほうがよいでしょう。
空調の利用を見直す
空調は消費電力比率30%を超える部分であるため、使い方や管理方法を見直すことで大幅に電力使用量を削減できます。