医療現場のコストとは?経営改善のための削減方法の鉄則について簡単に解説
日本は少子高齢化が進み、病院を取り巻く経営環境は厳しいものになっているといえますが、地域や診療科により異なりはあるものの医療需給のバランスが取れていないといえます。
医療機関の経営課題が顕在化された今、経営を続けることに危機感を抱く病院経営者が経営改善を検討するためにも、コスト削減の鉄則について簡単に解説していきます。
医療機関運営でかかるコスト
医療機関を運営する上でかかるコストはいろいろありますが、たとえば以下のものが挙げられます。
・医薬費・材料費
・委託費
・人件費
・減価償却費
・その他コスト
それぞれどのようなコストか説明します。
医薬費・材料費
医療機関でかかるコストとして挙げられるのが「医薬・材料費」です。
医療サービスを提供するための原価ともいえる材料費は、他の一般経費とは分けて考えなければなりません。
また、ガーゼやレントゲンフィルムなどの医療材料費以外にも、注射針や聴診器など医療消耗機器備品費、医薬品なども含まれます。
委託費
医療機関でかかるコストとして挙げられるのが「委託費」で、検査費・リネン委託費・給食委託費・事務委託費などが挙げられます。
人件費
医療機関でかかるコストとして挙げられるのが「人件費」です。
医療現場で働く事務員や医療技術者の給与の他、社会保険料や福利厚生費、採用コストなども含まれます。
減価償却費
医療機関でかかるコストとして挙げられるのが「減価償却費」で、設備投資として購入した固定資産を耐用年数で割り、毎年の費用として計上します。
その他コスト
医療機関でかかるコストとして挙げられるのが「その他コスト」で、たとえば賃貸料や広告費などの経費全般です。
医療現場のコスト削減の鉄則
医療現場のコストはいろいろありますが、削減する上での鉄則として挙げられるのが次の3つです。
・コスト削減の目的を明確化する
・コスト削減の目標を設定する
・院内全体で取り組む
何のためにコスト削減するのか、その目的を明確にしましょう。
病院存続や提供する医療のための資源集約など、削減した先の未来が見えることでコスト削減への意識が変わり、取り組む体制を構築しやすくなります。
その上で業務を見直し、何ができるか計画し、優先順位を付けることが必要です。
全体で行わなければ成果は出ないため、院長や理事長など経営陣を中心に目的・目標・期限を明確化した上でプロジェクトとして行うことが求められます。