医療用X線フィルムとは?X線画像でわかることとレントゲンとCTの違い

生体現象測定記録・監視用機器

医療用X線フィルムとは、X線写真で使用する専用のフィルムであり、一般写真用とは異なります。

X線は透過力が強く、感光させることを目的として感光乳剤を両面に塗布していることもあれば、乳剤中のハロゲン化銀含有率を高めるといった方法が用いられているフィルムです。

そこで、医療用X線フィルムについて、X線画像でわかることやレントゲンとCTの違いについて簡単に解説していきます。

 

X線フィルムの特徴

「X線フィルム」は、乳剤層が両面に有しているといった特徴があり、フィルムの感光のしやすさは乳剤層の厚みや内部のハロゲン化銀粒子の大きさなどが関係します。

ハロゲン化銀粒子は大きければ大きいほど、X線の感度を高め感光しやすくなります。

医療用X線フィルムの場合、感度を高めるために臭化銀とヨウ化銀を約95:5の割合で使用しており、乳剤面の静電気を除去することを目的とした薬品を添加するなど静電気で感光することを防いでいるものもあります。

 

X線フィルムの役割

医療用X線フィルムでは、X線による人体への影響を抑えるため、蛍光体で可視光線に変換しフィルムを感光させます。

そのため被ばく線量は100分の1 以上低減させることが可能です。

 

X線画像とは

X線画像は、X線を照射し体内に入れることで透過し体外に出てくるもの吸収されるものの透過・吸収の差を白黒の濃淡変化であらわしたものです。

X線が透過した部分は黒く、吸収された部分は白く画像に映し出されます。

 

レントゲンとCTの違い

レントゲンとCTはどちらも放射線による画像検査ですが、レントゲンは一方向から放射線を照射して画像に焼きつけます。

そのため一般的なカメラとその原理は近く、得ることができる画像も2次元でとなります。

それに対しCTでは、撮影部位に多角的から放射線を照射し、得たデータを解析して3次元の画像を再構築します。

得ることができる情報が多ければ多いほど、疾患の診断精度は高まるといえますが、肺の移乗をレントゲンで検査しても肺前方の血管や心臓などが放射線を吸収しやすいため邪魔になることがあります。

そのため肺全体をくまなく検査しにくいといえますが、CTを使えばいろいろな角度から放射線を照射することができるため、死角をなくし撮影できます。

また、CTでは肺を輪切り画像にすることや、気になる領域のみ焦点をあてるといったこともできるため、より詳しい検査や診断が可能です。

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