人工乳房とは?注目される乳がん手術後の乳房喪失を補う方法について解説

生体現象測定記録・監視用機器

人工乳房とは、乳がんの乳房全摘術後に使用する装具です。

簡易的なものもあれば精巧なものなど種類はいろいろですが、乳がんで乳房を喪失した際、補う方法として用いられています。

乳がんの手術は100年近く乳房全摘術が基本ですが、乳房温存術は日本でも1990年頃から取り入れられるようになりました。

しかし温存率は頭打ちとなっており、病変を完全に切除するためにも乳房全摘を必要とするケースがあるといえます。

しかし乳房形成術により、乳房再建がかなわない場合の乳房喪失を補うことが可能です。

そこで、人工乳房とはどのような方法なのか、注目される乳がん手術後の乳房喪失を補う方法について解説していきます。

 

人工乳房とは

人工乳房とは、医療用シリコンなどの人工的な素材で作られた医療素材で、乳房の代わりになるものです。

乳がん治療などで乳房を切除した後に、乳房状に胸の皮下組織に入れ、乳房を再建します。

乳房は取ったままでも命にかかわることはありませんが、女性にとって乳房喪失により自信を失ってしまうこともあります。

精神的なダメージは計り知れず、実生活でも体のバランスや着衣で外見が気になるといった問題が起きることもあるでしょう。

基本的に人目にさらすものではないものの、温泉や銭湯に行きたいといった方の悩みなどを解決する一助として人工乳房があります。

 

自信を持って社会復帰するためのエピテーゼ

人工乳房とは、身体の欠損部をカバーするエピテーゼの1つであり、発祥の地である欧米で戦争などをきっかけとして技術開発・品質改良が進められていました。

医療現場での普及率も高いといえますが、実際には日本での普及は歴史も浅く、認知度が低めです。

エピテーゼは外科的な手術は必要とせず、人工物なので人体の形態・手触り・色調など精密に再現できます。

自然でより精巧なエピテーゼを人工乳房として使用することで、自信を持って社会復帰することができるでしょう。

 

エピテーゼの種類

エピテーゼには、目・耳・鼻・乳房・指などがあり、外科的な処置が不要な場合にも人工乳房は作られてます。

簡易なものからオーダーメイドで非常に精緻なものなど、種類はいろいろあるため、ニーズに合わせた選択も可能です。

命と引き換えに乳房を失っても仕方がないと考える時代ではなく、乳がんの手術を受けたあとの生活の質を保つことも大切といえます。

現在、人工乳房は保険適応ではないため、治療の一環として人工乳房が認知されることが必要です。

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