届出が必要な医療機器とは?PMDAとFDAの違いやリスクによる分類
医療機器にはいろいろな種類がありますが、その中でも、不具合が生じたとき人体へのリスクが極めて低い一般医療機器(クラスI)の製造・販売はPMDAへの届出が必要です。
そこで、届出や認証が必要な医療機器の種類や、PMDAとFDAの違いとリスクによる分類について解説していきます。
PMDAとは
「PMDA」とは「Pharmaceuticals and Medical Devices Agency」の頭文字の略称であり、正式名称を「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」という厚生労働省所管の独立行政法人です。
平成16年4月1日に、審査センター・医薬品機構・(財)医療機器センターの同一性調査部門が統合され、承認審査の効率化を目的として厚生労働省が新たに設立した機関といえます。
独立行政法人医薬品医療 機器総合機構(PMDA)は、医薬品などによる健康被害救済・承認審査・安全対策を3つの役割として行っている世界唯一の公的機関です。
安全でより品質のよい製品を医療現場に届け、医療水準を向上させることに貢献している機関ともいえるでしょう。
PMDAとFDAの違い
PMDAは健康被害救済・承認審査・安全対策の3つを業務としていますが、アメリカでは米食品医薬品局(FDA)が医薬品承認審査などの業務を担当しています。
FDAは医薬品や医療機器だけでなく、食品や玩具などの安全性の検証や規制も行っていることがPMDAとの違いといえます。
PMDAの報告対象
PMDAの報告対象は、すべての医療機関と薬局などです。
医療機関や薬局の開設者や、医師・歯科医師・薬剤師・登録販売者・医療に携わる業務上医薬品・医療機器・再生医療等製品を取り扱う方などは報告者に該当します。
医療機器のクラス分類による手続の違い
医療機器は人体に与えるリスクに応じてクラス分類されていますが、手続方法により分けると次の2つに分類されます。
・届出が必要なクラス分類
・認証が必要なクラス分類
それぞれの分類に該当する医療機器について説明します。
届出が必要なクラス分類
届出が必要な医療機器は、クラスⅠである一般医療機器です。
一般医療機器は人体に対するリスクがきわめて低いため、PMDAに届出した時点で製造・販売が開始できるなどハードルも低いといえます。
また、申請する際に費用も発生しません。
認証が必要なクラス分類
認証が必要なのは、クラスⅡの医療機器で指定管理医療機器に該当するものと、クラスⅢの医療機器で指定高度管理医療機器に該当するものです。
人体へのリスクは比較的低い医療機器ではあるものの、一般医療機器よりは高いため、製造・販売する際には登録認証機関に認証申請が必要になります。