医療産業とは?産業化が進んだ理由や種類・課題について簡単に解説
医療産業とは、医師または歯科医師などの医業や医業類似行為を行う事業と、直接関連するサービス提供事業です。
病院・診療所などの医療機関や、医薬品卸業に製薬会社、医療機器メーカーなどは医療業界の代表的な例といえます。
また、医療事務・リネン・サプライなどの医療関連サービス、入院患者に提供する給食や患者搬送なども医療業界の仕事に含まれます。
そこで、医療産業について、もともと医療の産業化が進んだ理由や種類・課題について簡単に解説していきます。
医療の産業化が進んだ理由
医療の産業化とは、疾病の治療や回復によって労働力とするマンパワーの回復を目的とした非営利産業の医療分野に、経済成長牽引という営利的な側面を期待することといえます。
2020年までに医療や介護分野での新規市場や新規雇用の創出を目標としたことで、産業化が進んだといえるでしょう。
医療産業の種類
日本産業分類に基づいて行われた総務省の「事業所・企業統計」によると、医療産業には次を含むとされています。
・病院
・一般診療所
・歯科診療所
・助産所
・療術業
・歯科技工所
・医療に付帯するサービス業
・その他の医療業
日本の医療産業は、2025年には約68兆円、2030年は約87兆円になることが予想されています。
医療産業の課題
医療産業の課題として、まず深刻な人手不足が挙げられます。
少子高齢化による労働力不足や、育児や介護などのキャリアの中断などがその原因といわれていますが、慢性的な人手不足による医療従事者の過重労働やそれに伴う離職増加も問題とされています。
有望事業分野の条件
有能な事業分野といわれる条件は主に次の3つです。
・社会にとって必要な分野であり、需要が見込めること
・需要が満たされることが社会に有用であること
・需要を満たす供給側の技術・経営の革新が起こっていること
医療産業は、上記の有望事業分野の条件を満たしているといえるでしょう。
健康医療産業の需要と供給
健康医療産業の需要側は、高齢社会の到来と生活習慣病など、健康医療に対するニーズが高まっています。
仮に医療サービスを受ける場合でも、苦痛を和らげる治療などへのニーズも高まりつつあります。
供給側はライフサイエンスの分野で、技術革新が進展しています。
ITベンチャーの次にバイオベンチャーが経済活性化の鍵になるともいわれており、医療機関でも利用者の満足度を高める努力を行いつつあるといえます。