古い医療機器を処分する方法とは?委託・回収・中古リサイクルなどの手段を解説
古い医療機器を使い続けているものの、そろそろ新調したいとき、どのように処分すればよいのでしょう。
医療機関で使っている医療機器は簡単に処分することができず、適切な方法で処分しなければ多額の罰金や懲役刑などの対象になるため注意が必要です。
ただしリユース可能な医療機器も多いため、廃棄ではなく売却という選択もあります。
そこで、古い医療機器を処分する方法について、委託・回収・中古リサイクルなどの手段を解説していきます。
医療機器を処分する方法
医療機器は家庭ごみと異なり、自治体のごみ収集へ出すことはできません。
法令に基づいた適正な処分が必要となりますが、使用済みの医療機器の中には有害物質や化学物質を使っているものもあるからです。
また、病原体が付着したものもあると想定されるため、環境や公衆衛生に悪影響を及ぼさないためにも適切に処分しましょう。
仮に不法投棄すれば、5年以下の懲役または1千万円以下の罰金、またはその両方が科せられてしまいます。
法人の不法投棄についてはさらに厳しく、3億円以下の罰金の対象となるため絶対にしてはいけません。
医療機関が古くなった医療機器を処分する場合、次の3つの方法から選択することになるでしょう。
・産業廃棄物処理業者への処分委託
・メーカーへの回収依頼
・中古リサイクルの活用
それぞれ説明します。
産業廃棄物処理業者への処分委託
医療機器は産業廃棄物に該当するため、産業廃棄物の収集運搬業や処分業の許可を受けた特定業者に処分を委託します。
無許可業者でないか、必ず許可証を確認しましょう。
廃棄物処理法で指定された感染リスクのある医療機器については、産業廃棄物の特別管理産業廃棄物に該当するため、処分においては特別管理産業廃棄物処理の業の許可を取得している業者に依頼することが必要です。
メーカーへの回収依頼
メーカーで使用済みの医療機器を引き取ってくれる場合や、中古として下取りしている場合は活用しましょう。
医療機器を回収してもらうことができれば、メーカーが産業廃棄物取扱業者に処分を依頼するため、処分の手間を省くことができます。
中古リサイクルの活用
販売業者・修理業者・買取業者などに、中古リサイクルとして下取りしてもらい、譲渡または売買の契約を結んで所有権を業者に移します。
クリニック開院や移転で新品の医療機器を揃えると多額の資金がかかると考える経営者が、中古の医療機器を希望するケースも少なくありません。
買取対象は繰り返し使用できる治療・検査機器であり、メーカーが指定されている場合もあるため確認が必要です。