エックス線CT診断装置の耐用年数は?どのくらい利用できる?
昨今では医療が高度化、そして専門化している中、医療サービスも多様化していると言えます。
情報開示やロボット介護機器の導入など、新しい取り組みも進む状況で、医療機関は複雑でたくさんのリスクを抱えている状態になっていると言えるでしょう。
政府の成長戦略の中にも、医薬品や医療機器を革新的に創出すること、また、新しい医療技術を研究開発することが掲げられているので、さらにリスクの複雑化は進むことが予想されます。
医療現場ではなくてはならない機器
新しい技術の開発が進む中でも、従来から医療現場で用いられている「エックス線CT診断装置」は、患者に対して多方向からエックス線透過信号を送り、それをコンピュータ処理して再構成画像として映し出します。
患者は苦痛や負担を感じることなく、正確に患部や臓器の状態を撮影できるので、現在の医療現場にはなくてはならない存在とも言えます。
メーカーによるCT診断装置の耐用年数
エックス線CT診断装置は、走査ガントリ、撮影テーブル、操作コンソール、分電ユニット、標準付属品などで構成されています。
メーカーなどによる耐用年数は正規の保守点検を実施した場合、納入から10年くらいが目安と考えられますが、あくまでも推奨された環境で使用された場合に限るので、使用状況によって年数には差が生じると言えるでしょう。
減価償却資産としての耐用年数は?
減価償却資産としても耐用年数を考えた場合、医療機器については、病院、診療所等における診療用または治療用器具および備品について、「器具及び備品」の「医療機器」に含まれるとされています。
ポータブル式のような携帯することを可能とする構造の診断用のレントゲン装置の場合は、「レントゲンその他の電子装置を使用する機器」の「移動式のもの」に該当し、レントゲン車に積載されているレントゲンは「レントゲン車」に含めてその耐用年数を適用するとされています。
治療用、断層撮影用等のレントゲン装置に附属している電圧調整装置や寝台などは、「レントゲンその他の電子装置を使用する機器」の「その他のもの」に含まれます。
これらを踏まえて考えると、CTやMRIなどの電子装置機器は、移動式や救急用のもの、自動血液分析器は耐用年数4年、その他据置型の電子装置機器は6年です。
定期的なメンテナンスと交換が必要
なお、エックス線CT診断装置を所有するにあたり、定期的な保守やメンテナンスを実施することは欠かせません。メーカーによると部品などの定期的な交換を推奨しており、例えば「医療用エックス線装置用エックス線管」であれば1~3年を参考に交換することを勧めています。
ただし使用環境や使用状況などで、この年数よりも交換期間が短くなる場合もあれば、超える場合もある様なので、いずれにしても定期的なメンテナンスを必要とするでしょう。