医療法人とは？特徴や目的・設立における要件を簡単に紹介

医療法人とは、病院や診療所などを解説するときの法人形態です。

株式会社などは会社法に基づいた会社設立となるのに対し、医療法人は医療法により設立する法人形態となります。

そこで、医療法人とはどのような法人形態なのか、特徴や目的、設立する上で必要な要件を簡単に紹介します。

医療法人とは

「医療法人」とは、病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院などの医療施設開設のために設立する法人形態です。

医療法に基づいた設立となり、医療や介護に関連した業務が主体となります。

医療法人について、医療法では以下のように定義されています。

“病院・医師・歯科医師が常時勤務する診療所、または介護老人保健施設を開設しようとする社団または財団”

この定義にある「社団または財団」とは法人実体による区分であり、「社団」は人の集まりが基盤の法人で、「財団」は提供された財産を運営する法人です。

医療法人は社団と財団のどちらでも設立が可能ですが、医療法人ではない個人や法人が法人名に「医療法人」を使用することはできません。

医療法人の特徴

医療法人の「特徴」として、営利を目的としていない法人であることが挙げられます。

営利目的ではないため、剰余金の配当はできません。

代表者になれるのは医師または歯科医師のみで、設立には定款または寄附行為を作成し、診療業務に必要な施設・資産を有し、各都道府県知事から認可を得ることが必要となります。

医療法に定められた範囲内なら、医学・歯学に関する研究所を設置することや、医療従事者の養成・教育、医療法で規定のない診療所の開設などの附帯業務も可能です。

医療法人の目的

医療法人制度は、昭和25年（1950年）に医療事業の経営主体を法人化し、永続性を確保し資金集積を容易にすることを目的に創設された制度です。

医療法人の「目的」は、医療提供の体制を確保しながら、国民の健康維持へ寄与することといえるでしょう。

そのため積極的に利益を求める法人ではなく、余剰金の配当も禁止されています。

医療法人を設立する要件

医療法人を設立する「要件」は、人的要件・施設設備要件・資産要件の3つを満たすこと画必要とされています。

​【人的要件】

・社員は3名以上必要

・役員は理事長含む理事3名と監事1名が最低でも必要（役員欠格事由に該当しない者）

・理事長は医師または歯科医師であること

・法人の理事就任予定者や医療機関の職員は監事就任不可

・医療機関の管理者を理事に加えること

【施設設備要件】

・1箇所以上の病院・診療所・介護老人保健施設の設置が必要

・医療行為に必要な設備・器具の確保が必要

​【資産要件】

・設立後2か月分の運転資金が現預金で確保されていること