避難訓練は病院で義務化されている?種類やマニュアルの重要性を解説
避難訓練は、様々な業界で実施されていますが、病院は消防法における特定防火対象物であるため避難訓練の実施が義務付けられています。
他にも防火管理者の設置・消防計画の作成・年2回の消火訓練などが義務付けられている内容であり、病院以外にも消防法で防火対象物と指定されている施設は避難訓練の実施対象です。
そこで、病院に義務化されている避難訓練について、種類やマニュアルの重要性を解説します。
避難訓練とは
「避難訓練」とは、災害発生時に建物内にいる方が安全に避難するための訓練です。
災害の種類で避難行動が異なるため、前もって避難行動に関する定めが必要といえます。
病院は特定防火対象物に指定されており、避難訓練は年に2回以上行うことが必要と定められています。
避難訓練の種類
「避難訓練」は、具体的にいろいろな要素的な訓練で構成されていますが、たとえば以下の訓練が挙げられます。
・火災発見・通報・連絡訓練(消防機関への通報要領や施設内への連絡方法などの技能上)
・初期消火訓練(建物に備えられた消火設備の場所や性能を知ることで取扱技術の向上を図る)
・避難誘導訓練(避難経路決定・避難指示要領や避難器具の使用方法などの技能向上を図る)
・搬送訓練(自力で避難ができない人を適切な場所まで避難支援・搬送する技術向上を図る)
・安否確認訓練(無事に避難できたか安否確認技術の向上を図る)
・その他訓練(救助救出訓練・災害対策本部設置・運営訓練・地震災害訓練・津波避難訓練など)
火災発生を想定した消火・通報・避難まで、すべての要素を含めて実施する訓練が総合訓練です。
マニュアルの重要性
病院で行う避難訓練に備えて、マニュアルを作っておくと安心です。
避難訓練マニュアルは、緊急事態が発生したときに患者やその家族、病院関係者の生命を守り、施設や設備を速やかに復旧させる役割を担います。
緊急事態が発生したとき、病院のスタッフが役割分担をしつつ対応できるか、動きを実際に確認できる点でも効果があるといえるでしょう。
避難訓練マニュアルを策定するときには、それぞれのスタッフが非常時に求められる行動と果たすべき役割を示します。
マニュアルを周知徹底しておき、内容に沿った訓練を行うことで、スタッフ各自の役割や求められる行動を確認できます。
避難訓練を重ねて実施すれば、実際に緊急事態が発生したときでも、スタッフが協力・連携して人命救助・災害復旧・事業継続に対応できるようになります。