デジタル脳波計のフィルタについて

生体現象測定記録・監視用機器

デジタル脳波計は主に3種類のフィルタ構成があることをご存知でしょうか。

・アナログ信号をデジタル信号へ変換前に組み込まれる「アナログフィルタ」

・アナログ信号からデジタル信号へ変換後にデータ保存するときに利用する「高域遮断デジタルフィルタ」

・データの判読時にリフィルタリング機能を使うことができる「デジタルフィルタ」

それぞれには脳波を適切に記録するための目的や機能があります。脳波検査を行うにあたり、それぞれフィルタの役割を理解しておく必要があります。

○フィルタ構成の詳細

①アナログ信号をデジタル信号へ変換前に組み込まれる「アナログフィルタ」
高域遮断フィルタと低域遮断フィルタにわけられます。

高域遮断フィルタはアナログ信号をデジタル信号へ変換する際に発生するノイズを排除するために用いられます。アンチエイリアシングフィルタ(折返し誤差防止)とも呼ばれます。
一方で低域遮断フィルタは脳波を記録する際に機能するフィルタになります。主にリフィルタリング機能を活用できるように長い時間設定にしています。
リフィルタリング機能…デジタル脳波計は再生時でもフィルタを変更することが可能です。再生時にドリフトを抑制したり、筋電図などのノイズを軽減できる機能をリフィルタリングといいます。

②アナログ信号からデジタル信号へ変換後にデータ保存するときに利用する「高域遮断デジタルフィルタ」

1000 Hzで抽出されたデータは一時的にコンピュータ内に保存されますが、データをハードディスクに保存するときには200Hzまたは500Hzへ再標本化して保存します。この再標本化する際に高域遮断デジタルフィルタが機能することで折り返し誤差を防止することができます。

③データの判読時にリフィルタリング機能を使うことができる「デジタルフィルタ」

記録した脳波を判読する際にはハードディスクからデータを呼び出しますが、低域遮断フィルタとは高域遮断フィルタによって周波数を遮断する事によって、より判読しやすい水準にすることが可能です。
低域遮断周波数は,記録時に設定された時定数が2秒であれば0.08 Hzが遮断され、時定数が10秒では0.016 Hz 以下の周波数が遮断されることになります。

高域遮断周波数は200 Hzに再標本化した場合においては60Hz、500 Hzに再標本化した場合では120 Hzとなります。この値を上限に再生時においてフィルタを変更することが可能です。

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