麻酔器の耐久年数ってある?
医療の現場で使用される麻酔器ですが、その適用範囲や役割についてご存知ですか?また、麻酔器の耐久年数についても知っておくと、保守するべきか買い替えるべきかの目安になるのではないでしょうか。よって、麻酔器の寿命についてまとめましたので一緒に見ていきましょう。
■麻酔器と、医療機器の寿命
そもそも麻酔器とは何であるのか知っていますか? 結論からいうと、麻酔器とは吸入により全身麻酔に使用される「医療機器」です。この麻酔器の役割というのは、主に外科手術中の呼吸管理と麻酔管理なのですが、その適用範囲については下記となります。
・麻酔ガス供給装置
・麻酔呼吸回路
・麻酔用ベンチレータ
・麻酔蒸気供給装置
・麻酔ガス排除装置
・モニタリング機器
・アラームシステム
・保護装置
また、医療機器の寿命に関してはいくつかの定義があるのですが、ここでは下記の式ように「使おうと思えば使える」との前提でまず考え、すすめていきます。
・税法上の耐用年数≦薬事法上の耐用期間≦医療機器の寿命
まず、税法上の耐用年数(減価償却の概念に基づく)ですが、当然ではありますが、過剰な課税にならないように設定されます。それに比べ、薬事法上の耐用期間は、有効性と安全の観点から品質を確実にできる期間とされます。
まず、これらを比べてみると、薬事法上の耐用期間を過ぎた医療機器に、税法上の評価というのはあるはずがないですから「税法上の耐用年数≦薬事法上の耐用期間」が逆になるということはないということです。
一方、「薬事法上の耐用期間≦医療機器の寿命」については、保守点検などの必要とされることをしていなかったり、使用頻度や使用環境により頻繁に使っている場合、または技術が進歩した場合などには逆になることもあります。これは「使おうと思っても使えない」という状況といえます。
■麻酔器の寿命とは
では、麻酔器の寿命を決める決定的な要因とは何でしょうか?それは、それぞれに構成している要素ごとに下記の違いがあるといえるでしょう。
①保守部品を備えられるか?
液晶のディスプレイやマイクロコンピュータ等の高価なもので、かつ技術の進歩が速い部品(保存が長いことできない部品)の確保が難しい。
②部品の変更することができるのか?
今から入手するのが難しい部品の代わりとなる部品の入手先を探すことや、設計の変更、価格、承認変更などの費用の面を考えなくてはいけない。
③設備の維持、更新費用の合理性はあるのか
人材や設備の維持、劣化した金型等の更新費用を考慮する必要がある。
また、残りの寿命を考えたときの保守費用が妥当であるのか、そして今現在の臨床ニーズに合っている性能や機能があるのか、なにより使い慣れた機器の愛着というのが寿命の決定に影響するのではないでしょうか。
■麻酔器の耐久年数は、維持していくかどうかで決まる
いかがでしたでしょうか?このように麻酔器の耐久年数というのは、維持していこうと思えばできるのですが、保守費用や使用状況などを考慮しなければいけないということです。つまり、麻酔器の構成部品の耐久性から寿命というのが決まるわけではなく、それぞれの部品を維持していくことが合理的かどうかというのがポイントといえるのではないでしょうか。
このように、麻酔器に関して何か疑問になることや、お困りのことがありましたら気軽に株式会社アクト医療までご連絡ください。