内視鏡の歴史、胃カメラからファイバースコープへ

診断用機器

【はじめに】
内視鏡は、呼吸器や消化器の検査に用いられる医療器具です。
人間ドックや健康診断、胃腸の不具合などで
内視鏡検査を受けたことがある人は多いと思います。
今回は、内視鏡の歴史についてまとめます。

【内視鏡の歴史】

1.内視鏡とは
光ファイバーの束の先にカメラを付けた医療器具で、主に気管支や喉、消化器の病変を見つけるのに使用されます。
カメラで撮影した画像や映像はコンピュータに記録され、医師が、患者の病気の診断や説明を行う際に利用します。
内視鏡を使うと、直接見ることのできない体内の様子を観察・記録できるため、昔よりもがんやポリープなどの病気が発見されやすくなりました。

2.内視鏡の歴史
・胃カメラ
1960年代、アメリカでガラスを使った線「グラスファイバー(光ファイバー)」が開発されました。
曲がっていても光を端から端まで伝えるというグラスファイバーの特性は、医療器具の開発でも注目され、胃の中を直接見ることができる内視鏡が誕生しました。
この技術により、医師は患者の胃の中をリアルタイムで見られるようになったのですが、まだ写真に記録することはできませんでした。
そして、1964年。ついに胃の中の写真を撮影できる「ファイバースコープ」がついた胃カメラが誕生します。
ファイバースコープ付き胃カメラでは、撮影ができないという弱点が克服され、より高度な診断が可能となりました。
その後、胃カメラの構造や材質はさらに改良され、接岸部につけたカメラから胃の中を撮影できるまでになりました。

・ファイバースコープ
1975年頃には、リアルタイムで胃の中を観察・撮影できるファイバースコープの普及が進みました。
その後も改良が進み、食道、気管支、十二指腸、大腸、胆道なども内視鏡で検査できるようになりました。
また、口から通すものと鼻から通すものが製造され、用途や病院によって使い分けがされています。
今では、検査だけでなく、ポリープ切除などの治療も内視鏡で行えるようになり、医療現場に欠かせない道具となっています。
ちなみに、内視鏡検査のことを「胃カメラ検査」と言ったりしますが、「胃カメラ」とは厳密には旧式の内視鏡のことを指します。

【最後に】

今回は、旧式の胃カメラから現在の内視鏡が誕生するまでの流れを大まかに見てきました。
内視鏡は、研究や改良が重ねられた結果、今では医療現場で欠かせない器具となりました。
しかし、内視鏡をはじめとする医療機器は、とても精密なものです。
診断・治療などの医療行為をスムーズに行うためにも、日々のメンテナンスを欠かさず、万一の時に備えて医療機器の保険に入ることをお勧めします。

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