X線診断装置は市場で今後拡大される医療機器なのか?
日本は医療保険制度が充実しているため、安心して良質な医療を受けることが出来ます。その一方、高齢化が進む中で医療は高度化しているので、医療費は増大の一途をたどる一方です。
そのため医療提供体制と医療保険制度、この両面から抜本的な改革が行われることを急務としている状況ですが、医療サービスの標準化、患者本位の医療サービスの実現、診療報酬体系の見直し、病院と診療所の機能分化、そして経営の近代化や効率化など、様々な課題を抱えています。
増える疾患や高齢者に対応できる医療環境とは?
感染症や急性疾患などが減少していく反面で、循環器の疾患、がん、糖尿病といった生活習慣病は増えており、高齢者の痴呆や寝たきりなども増加傾向にあります。
遺伝や外部の環境、そして生活習慣という要因が関係しますが、がんや循環器病に密接に関係する生活習慣において、医療機関では食習慣や運動習慣、電子カルテ導入、病院と診療所の連携体制の構築、業務の効率化やケアレスミス防止などの対策を必要としています。
さらに医療従事者の診療業務、そして、医薬品や検査室、機器の使用状況の実態まで把握した上で経営改善していくことが求められるでしょう。
X線診断装置等に求められる役割
100年以上の歴史を持つ画像診断装置である「X線診断装置」。その映像化の原理は変わることなく現在に受継がれています。
ただ、X線平面検出器(FPD)などを用いれば、高画質のデジタル画像で正確ながん診断も可能になるなど進化を続けている状況で、新しい画像診断装置が発展することによる役割の変化は見られます。
循環器の領域でもCT装置やMRI装置が急速に進歩し、従来、X 線が担ってきた診断の役割から、IVRなど血管内治療を効率的に支援する役割に変化しています。
変化する医療環境の中、今後もさらに新たな役割を見い出しながら発展をし続けて行くと考えられるでしょう。
今後さらなる活躍の場を広げる医療機器として
医療用画像診断システムと言われるものには、X線診断システムをはじめ、CT装置やMRI装置、超音波診断装置などがあります。これらを含めた医療用の画像診断システムの撮像技術は今後も高精度化を続け、データ解析技術やインタフェースが高度化などでますます進化し続けています。
先端テクノロジーにより、患部に高い精度で粒子線照射するスポットスキャニング照射技術を用いた粒子線治療システムなど、体に負担をかけずに画像診断の可能性をさらに広げる方法として注目されています。