造影剤の役割

診断用機器

【はじめに】
造影検査の一つであるMRI検査は体の内部を画像で確認するために行います。強力な磁場のあるトンネルの中に体を入れ、とても強い磁石と電波を利用して体のさまざまな断面を撮影し画像化します。
このMRI検査などの造影検査の際に必要に応じて造影剤を使うことがあります。
そこで今回は造影剤について説明をしていきます。

【造影剤とは】

造影剤とは、造影検査での画像診断をしやすくするために用いられる薬剤のことを指します。
造影剤を使用すると、画像のコントラストをはっきりさせたり、特定の臓器を分かりやすくしたり、異常がみられた部位の異常発見に役立ちます。
造影剤は大きく分けて2種類あります。それは静脈に注射をして投与するものと飲み薬です。
静脈注射で投与される薬剤は注入後、24時間以内に体外へ排出されるものがあるので検査後には多く水分をとってもらうことになります。それから、検査当日の飲酒や脱水症状が起こるほどの激しい運動は行わないようにしてください。
飲み薬の造影剤では一時的に便が黒くなったり、歯に色がついたりするものがあります。
造影剤はアレルギーのある人、喘息の人、授乳中の人、以前造影剤を使用して気分が悪くなった人などは使用できないことがあるので注意してください。

【副作用について】

造影剤は安全に使用できるよう作られています。しかし人によって副作用が出る可能性もあるのでその点についてまとめておきます。
副作用は発生が早いか遅いかで大まかに分けることができます。
発生が早いものを即時性副作用といい、造影剤が投与されてすぐに起こる副作用を指します。副作用のほとんどがこの即時性のものになります。
逆に検査後、1~2時間または数日経ってから現れる副作用を遅発性副作用といいます。検査後しばらくしてから症状が出るので、検査した病院に連絡しましょう。
これらの副作用の程度としては、軽いものだとかゆみやくしゃみ、発疹、吐き気、頭痛などがあり、重いものだと呼吸困難、意識障害、血圧低下などがあります。一般的に重い副作用が出るのはまれですが、喘息の人は重い副作用が通常よりも出やすくなります。ですから、MRI検査などの造影剤を必要とする検査を受ける人は自身の体質を検査前にちゃんと伝えておく必要があります。

【まとめ】

MRIは基本的には造影剤を使用しなくても必要な画像を撮影することができる医療機器です。しかし、場合によっては造影剤を使用する必要があります。
体質によっては造影剤の使用が難しかったり、使用によって副作用が起こることも頭に入れておいてください。

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