心電図使用の際に気を付けたい交流障害の原因と注意点
【はじめに】
心電図検査を行うときには、正確なデータが取れるよう「交流障害」などに気を付けなければいけません。
この記事では心電図の電極の接触不良などで起こる「交流障害」についてお伝えしたいと思います。
【交流障害はどうやって分かるの?】
交流障害は多くの場合、心電図の記録紙上に規則的な細かい振動として現れます。
このとき心電図の波の高さや幅も一定となるので正常な心電図と区別することができます。
【3つに大別できる交流障害の原因】
電源や電灯線からの交流障害の場合、大きく3つの原因が考えられます。
・漏れ電流
壁、床、天井などから漏れてくる電流が心電図に影響を与えることによって発生する交流障害です。
また、病室にある電気毛布やアンカなども原因になることがあります。これらの電化製品はコンセントを抜いて、電流漏れしないよう対応するべきです。
対策としては、シールドシートの上で測定すること、ベッドアースをとる、2Pコンセントをできるだけ使用しない等が挙げられます。
・電磁誘導
磁力線が電極リード線と交差することによって起こる交流障害です。電磁誘導による交流障害の対策としては、電極リード線をできるだけ束ねること、リード線・入力ボックスの位置を変えること等が挙げられます。
・静電誘導
被験者と電灯線の間に浮遊容量が形成され、それを通じて電極リード線などに障害が生じるケースです。
対策としては、接触抵抗を下げる、電灯線と被験者に距離をとる、シールドルーム内で測定する等が考えられます。
【その他交流障害の原因】
上記に挙げた原因の他にも交流障害になるパターンとして「記録環境の不良」が考えられます。
日本では梅雨の時期など、湿気が多くなると漏洩電池を使っているときに交流障害が起きやすくなります。このとき、絶縁シートを被験者の下に敷いて接地することで交流障害を除去できます。また、電灯や扇風機の電源コードが接地線に近いときに起こる交流障害もあります。
水道管に接地する場合にも、しっかりとした接地効果が得られないこともあるので注意しましょう。
【まとめ】
心電図をとるときに注意しておきたい交流障害についてお伝えしました。例え交流障害がない場合でも心電計は必ずアースしておくと良いでしょう。被験者の安全が守られます。
また、心電計を扱うときには電源コードの取扱いも大切です。
電源コードは被験者・接地線・誘導コードとはできるだけ距離を取るようにしておくと安心です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。