レーザーメスで使用されるレーザーの種類とその波長
【はじめに】
医療用のレーザー、レーザーメスなどは用途に合わせて様々な種類があります。
今回、医療用レーザーとして用いられている11種類のレーザーを波長が小さい順から紹介したいと思います。
【医療用レーザー11種類!】
・エキシマレーザー(波長193nm)
短波長のエキシマレーザーはレーシック手術などの視力矯正で用いられることが多く、角膜の屈折率を変えるのに使われます。
・アルゴンレーザー(波長515または488nm)
アルゴンレーザーの波長は515nmのものと488nmの2種類があります。特に515nmのものはヘモグロビンに対する吸収率が高く、眼の網膜光凝固に使われることが多くなっています。
・KTPレーザー(波長532nm)
赤色や茶系の補色に吸収されやすく、血管の障害や色素疾患などの症状に有効なレーザーです。後に紹介するネオジウム・ヤグレーザーの波長を変換して2倍の周波数に変えたものになります。
・ダイレーザー(波長577nm)
色素を励起(より高いエネルギー状態に)して、パルス(短い時間に流れる脈動)発振で使用します。使用用途としては、がんなどの腫瘍を破壊するのに使われることが多いです。
・パルスダイレーザー(波長585nmまたは595nm)
皮膚科などで使われることの多いレーザーで血管などにも反応します。また、メラニンに反応しない種類のものもあります。
・ルビーレーザー(波長694nm)
刺青の除去や脱毛などに使用されることが多く、脱毛では明るい皮膚の色のケースで用いられることが多いです。
・アレクサンドライトレーザー(波長755nm)
メラニンに吸収されやすいため、皮膚の色が薄く、毛色の濃い日本人の脱毛に向いているレーザーと言えます。ただし、黒い肌に使用してしまうと色素脱失症や色素増加症になってしまうこともあります。
・ダイオードレーザー(波長810nmまたは950nmなど)
皮膚科や眼科、歯科、エステ、手術と多様な用途で用いられるレーザーです。レーザーの条件設定などが少しややこしいのも特徴です。
・ネオジウム・ヤグレーザー(波長1064nm)
このレーザーは深部で吸収されるという特徴を生かし、レーザーメスとして深部組織の凝固や切開に用いられます。また、エステ業界でのレーザー脱毛、レーザー治療などに使用されることも多いのが特徴です。
・ホロミウム・ヤグレーザー(波長2100nm)
水への吸収率が高く、整形外科の手術などで使用されることが多いです。
・エルビウム・ヤグレーザー(波長2940nm)
皮膚組織の表層細胞に吸収されることが多いので皮膚へのダメージが少ない一方、効果が薄くなるというデメリットもあります。