消毒器や滅菌器の種類と耐用年数・耐用期間の違いとは?
医療器具の洗浄・消毒・滅菌は感染対策においての基本であり、医療従事者や患者を守るために非常に重要です。患者に使用した医療器具の処理方法は、その器具の使用目的に応じて洗浄・消毒・滅菌といった処理・機器を選択します。
手術器具や注射器、穿刺といった観血的な処置に使用される医療器具は滅菌をする必要があります。その際には高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)やエチレンオキサイドガス(EOG)滅菌器などが選択されます。
●高圧蒸気滅菌器
熱に安定している被滅菌物を対象にして、密封された装置の中で適当な温度・圧力の飽和水蒸気で加熱することで殺滅をする装置です。
高圧蒸気滅菌器は短時間で加熱することができ、基本的にすべての微生物を確実に殺滅することができます。数多くの物質を滅菌することができ、熱に強い製品であれば滅菌後も劣化や品質の変化も少ないため、多くの医療機関で使われています。
●エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌器
エチレンオキサイドガスを直接流通させることによって微生物を殺滅する装着です。熱による滅菌法と比較して低温で滅菌できるため、熱に弱いゴム製品やプラスチック製品に適しています。
処理に掛かる時間が長くなること、カートリッジボンベの交換が必要になるためコストが掛かること、EOGは人体に有害であるため取り扱いに注意が必要であることがデメリットといえます。
○医療機器の耐用期間と耐用年数の違い
消毒器や滅菌器などの医療機器には「耐用期間」と「耐用年数」という用語があります。似たような用語ですが、意味が異なりますので確認をしておきましょう。
耐用期間について、「一般社団法人 電子情報技術産業協会」は以下のように定義しています。
“医療機器が適正な使用環境と維持管理の基に、適切な取扱いで本来の用途に使用された場合、その医療機器が設計仕様書に記された機能及び性能を維持し、使用することができる標準的な使用期限を医療機器の「耐用期間」と定義する”
つまり、耐用期間とは医療機器を安全に使用することができる「機器の寿命」と言うことができます。基本的に医療機器の耐用期間は販売元の仕様書に明記されています。わからない場合は必ず販売元へ問い合わせをしておきましょう。
一方で耐用年数とは、固定資産の税務上の減価償却に関して、減価償却費を計算する上で基準となる年数を意味します。ちなみに、国税庁は消毒殺菌用機器の耐用年数を「4年」としています。
その他の医療機器耐用年数は国税庁ホームページを参考にして下さい。