内視鏡の中でも高度な技術で検査できる電子内視鏡に注目!
内視鏡は体外から体内の様子を観察できる検査器具ですが、挿入部分が曲がる軟性内視鏡、曲がらないタイプの硬性内視鏡があります。
この内、軟性内視鏡には種類があり、先端のレンズで捉えた画像をグラスファイバーによって体外の接眼部まで導いて肉眼での観察を可能とした「ファイバースコープ」、そして先端のCCD(固体撮像素子)で電気的にモニターまで捉えた画素を導き観察することを可能とした「電子内視鏡」があります。
電子内視鏡は電子スコープやビデオスコープとも呼ばれていますが、開発されてから改良が次々に加えられ、画像の解析や処理、通信機能、ファイリング機能といったこれまでの内視鏡には無い機能まで実用化されています。
電子内視鏡で複数の医師が同時に観察可能に!
電子機器の発達で電子内視鏡が登場したことにより、現在では多くの病院や医療機関で使われています。
CCDを使ったビデオカメラを内視鏡に組み込んだ電子内視鏡の特徴は、画像を数十万個といった画素で捉え、捉えた画素を電気信号に変化させてテレビモニター画面に送り込むといったことです。
以前は熟練した医師が一人で見るしかなかった臓器内面の状態でも、電子内視鏡を使えばテレビモニターに画像で映しだすことができるので、医師や医療従事者が複数いても同時に観察することができます。
電子内視鏡で内視鏡検査や治療の範囲が拡大
画像処理が可能になったことにより、電気的コントロールで画像鮮鋭度を高めて病変の識別が容易になったことや、カラー信号を操作して肉眼で見ることが難しい部分も観察できるようになったという部分も電子内視鏡のメリットとして挙げられます。
病巣や病変の見落としも少なくなったことは診断の精度が飛躍的に向上したと言えますし、内視鏡の検査や治療の範囲を拡大することを可能としたとも言えるでしょう。
検査器具はさらに進化し続けている
また、電子内視鏡の開発と同じ頃、内視鏡の先端部分に超音波を発信する振動子を設置した「超音波内視鏡」も開発が開始され、病変や潰瘍などが胃や腸の壁のどの程度の深さまで達しているか、またはリンパ節転移の有無などについて、粘膜表面よりも深い部分まで診断できる様になっています。
内視鏡は検査や診断を行うものとして用いられるのではなく、治療や処置の器具として使用される時代になったと言えます。
今後も改良や改善が加えられ、さらに病巣や病変の早期発見・治療に貢献できる医療用の検査器具が期待されるところです。