麻酔器の扱いと半閉鎖式回路の仕組み
麻酔回路は患者に対しての吸気の二酸化炭素を排出する為に、「炭酸ガス吸着装置」を通して、除去を行ってから麻酔ガスと酸素を供給する事です。麻酔器の「半閉鎖式回路」の役割について紹介しましょう。
半閉鎖式麻酔回路の仕組み
人工呼吸器の扱いでは、吸気がそのまま大気中に放出されています。「半閉鎖式麻酔回路」の仕組みでは、吸気を再度取り込む事によって、吸気ガスとしての利用を一部執り行っています。
「揮発性麻酔ガス」の有効利用が行われて、今までの余剰麻酔ガスに対して、空気を汚染する事を軽減しています。しかし、この状態では低酸素を引き起こして二酸化炭素の割合が高くなるので、一定量の酸素を「新鮮ガス」で供給します。二酸化炭素に対しては、「ソーダライム(ソーダ石灰)」による吸着剤で吸着して取り除いているのです。
分時換気量分とは
1分間あたりに消費される酸素量と二酸化炭素産生量の比率を「呼吸商」と言います。人間の「酸素使用量」と「二酸化炭素発生量」は同じになっています。「分時換気量=1回換気量(VT)×呼吸回数(f)」を考慮した上で設定されているのです。
「閉鎖式」は呼吸器回路が外部へ放出がないので、患者さんが吸収した分だけ麻酔ガスと酸素を補給します。余剰ガスが排出される危険性は低いのですが、正確に操作する技術が必要です。「半閉鎖式」の場合は、余剰ガスの排出が一定流量になります。閉鎖式と比べて、麻酔ガス濃度や酸素濃度の調節がしやすくなっています。
半閉鎖循環式呼吸回路の構造
呼吸回路については、呼吸バッグと2個の一方弁となる吸気弁と呼気弁があり、蛇管(蛇腹状にして表面積を大きくした管の事)や人工鼻(吸気を加湿やろ過する事で、冷たく乾いた空気が直接肺に流れます)、Lアダプター、炭酸ガス吸収装置やポップオフバルブからの構造になっています。
麻酔ガスの流入は「送気管から吸気弁へ、吸気側蛇管から患者へ、呼気側蛇管から呼気弁へ、バッグから炭酸ガス吸収装置を経て吸気弁」という仕組みです。成人が使用するバッグは0.5 から5Lの幅があり、通常の大人の使用料は3Lとなっています。
まとめ
麻酔器の「半閉鎖式回路」は、二酸化炭素を排出する方法ですが、「閉鎖式」に比べて操作性が簡単になっています。だからと言って、安全の為の点検や準備は怠ってはいけないのです。十分に麻酔機器の仕組みを理解して、備える事が重要なのです。