麻酔器の仕組みとはどのようなもの?

治療用機器

私たちが手術などを行うときお世話になるのが麻酔器ですね。麻酔器とは手術をする場合に、手術中の痛みをなくした状態にして、手術による身体への負担から患者さんを守るのを目的としています。今回はそのシステムについて説明していきましょう。

麻酔器のはじまり

その歴史は1840年代にエーテルを使った吸入器が始まりとされていますが、厳密な時期については不明です。簡素的なものではありますが、さらに改良が必要ということで濃度を調整する機械や酸素と亜酸化窒素を合わせたものが麻酔ガスに混合し、様々なシステムが開発されていきました。

構造

それでは、麻酔器の構造について説明していきましょう。日本でも古くから麻酔を使った手術は行われていますが、江戸は今のように電気を使いませんので、薬草の種類を組み合わせながら行うものでした。今のような電気を使っているものが導入されるのは戦後になってからの話で、国産のものが使われるようになったのもちょうどその頃とされています。

しかし、その後の技術進化などにより様々な機能を搭載した機種も開発されており、医療の現場などで問題点や改良点などといった声を積極的に取り入れながら改良し、今使われている麻酔器に反映されているのです。

技術の進化などにより、記録装置やモニタリング装置などといった機能を搭載した種類も登場していることから、患者さんに対し痛みを感じさせないよう努力し続けていったのです。
現在、歯科医院で使われているのは局所的なものであり、病院で使われているのは全身を伴うものが導入されています。

基本的

麻酔器のシステムについては以下の通りです。

①呼吸回路部→呼吸バッグや自動換気装置を介して人工的に呼吸が行われています。患者へは、後述する麻酔ガスを送ります。

②ガス供給部→空気や酸素などをセボフルランなどといった吸入麻酔薬(揮発性)と混合したものが供給される仕組みです。
③気化器→専用なものが使われ、酸素などの一部を取り入れながら揮発性麻酔薬によって飽和しながら濃度(一定)を維持していきます。

④モニタリング装置→患者さんの状態などを知ることができ、呼吸系や循環系などを把握することができる装置です。

安全上必要なもの

では、安全性を高めるのにはどういうものが必要なのでしょうか。

①フールプルーフ→ガス接続部の誤接続対策です。
②アラーム→心拍数などの反応がない時に知らせます。
③安全対策→麻酔器でトラブルが起きた場合、酸素に関しては優先的に供給することができるシステムです。
④酸素供給圧低下警報装置→ガス供給ラインにあり、供給圧の低下を感知するとアラームが鳴り、亜酸化窒素の供給はできません。
⑤酸素フラッシュ弁→酸素(40L/分前後)がボンベなどから直接麻酔回路へと供給することができます。

まとめ

以上、麻酔器の基本的な仕組みについて説明しましたが、思ったよりシンプルなものであるということを覚えておきたいものです。病院の外科などで使うことがあるでしょうが、昔と違って安全性に重点を置いたものであると覚えておきましょう。

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