手術台に使用されるマットのあれこれ

治療用機器

マットと言えばいろいろな種類がありますが、今回は手術の際に使用される手術台のマットについて見ていきたいと思います。マットには、どのような種類とどのような機能が必要になるのかなどをご紹介していきます。

マットに必要な機能

手術をするには、普通のベッドを使用せず手術用の台にマットを敷き、使用することになります。従って、マットは手術台にあった同じメーカーを使用するのが一般的です。手術台用のマットに必要な機能として一番に挙げられるのは、手術箇所によって体位や手術の時間によって引き起こされる「褥瘡」といえます。

手術の時間は、短時間のものから10時間以上に及ぶ長時間の手術の場合もあることも多いのです。「褥瘡」というと、寝たきりの方などのイメージが高いと思いますが、麻酔によって意識のない場合などは自分で体位をかえることが不可能な状態となるため、圧迫される箇所が出てくることになり、「褥瘡」につながります。

長時間に渡り、体の一部に血液がいかず神経障害や圧迫壊死を起こします。それが「褥瘡」です。ほとんどの手術において、圧迫障害は軽い症状も含めて起こるといえます。

マットの種類

ガイドラインでは、手術の箇所によって1時間以上の長時間の手術の場合などは、広範囲処置用のフルサイズのマットで、「体圧分散マット」などを使用するように強く勧めています。また、側臥位や腹臥位の体位の手術などに適しています。

分離式のベッドの場合は、その箇所ごとにマットを変えて使うことが推奨されており、個別にマットを使い分けます。マットの素材に関しては、軟質ウレタンフォームやナイロン樹脂、ポリウレタンなどがあります。さらに、帯電防止加工やX線を通過するものなどがあり、電気メスが使用できるものも存在します。

マットの取扱い

マットは基本的に、付着した体液などを簡単に清掃することができるように加工されています。

〇「清掃」
使用後は、マットに付いた血液や薬剤などを拭き、消毒用アルコールで拭き取りをします。消毒液などを使用し長時間のつけおきなどをすると、劣化することがありますので注意が必要です。

〇「保管方法」
水滴などをしっかりと拭き取り、乾燥した状態で高温多湿をさけて保管します。

〇「点検」
使用前・使用後は必ず破損や劣化などがないか確認を行い、異常個所があった場合は速やかに修理、買い替えを行います。

まとめ

手術台のマットについて書いてまいりましたが、昨今では「褥瘡」の問題が大きく、マットについても各病院や施設などで様々な対応を取られているようです。その状況に合わせて、マット選びも変えていく必要があり、患者さんの負荷を最小限に抑えられるかが問われています。

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