水銀式血圧計の目盛りの話し

治療用機器

私たちの日常における健康状態を把握するという意味で欠かせないのが、血圧測定というわけです。病院のほか家庭でも測定できるのですから、今日の血圧の状態を知る時、何かと役立つことでしょう。今回は、血圧計の目盛りについてお話ししましょう。

昔からの測定法

まずは血圧計の歴史についてお話ししましょう。1世紀弱の歴史を有する健康測定法であり、一人の軍医の偶然の発見から始まったといわれています。発見者はニコライ・コロトコフでロシア軍々医でした。カフを活用して上腕の動脈を圧迫してから減圧時に生じる血管音を聴診器での聞き取りと同時に血圧測定を行うやり方を発見し、最高血圧と最低血圧の双方を測定することができるという画期的なやり方でした。これをコロトコフ法といいます。

コロトコフ法

血圧計に限らず血圧の測定を語る上で欠かせないのが、このコロトコフ法です。概要については上腕部動脈閉塞後、カフの減速を行う際の動脈が開いていく過程の音による変化を求めることです。その時血管からトントンという音が聞こえてきますが、心拍と同期していることを表しており、コロトコフ音が聞こえ始めた際、カフ圧力が最高血圧であり逆に消えた時の圧力が最低血圧として認識することができるわけです。

実際に目盛りを測定してみよう!

では、水銀方式の血圧計を使って測定してみましょう。最初にやるべきことは実際にはかる左腕の動脈の位置を確認することから始まります。目安としては、肘関節から約5センチ前後上の部分の内側を指で少し強く抑えることにより、動脈を感じることができるからです。この時点で腕帯を巻く位置が決まります。

次に聴診器を装備した後、長身部を腕帯にセットしてから腕帯を巻き付けてください。なお、位置については心臓と同じ高さにしておくと良いでしょう。これら一連の動作が確認次第、測定を開始してください。加圧は素早くやる代わりに、排気についてはゆっくりと行うのが一般的なやり方でしょう。だからと言って、慌ててやると測定そのものができなくなるので、ゆっくりと作業を行いたいものです。バルブに関しては、左が「開く」で、右は「閉じる」が一般的です。

コックを開き、左へと移動すると水銀が上昇を開始します。この時点で血圧計の目盛りが生きているわけです。その後バルブの操作を行いながら軽く閉め、ゴム球を握りながら腕帯へと空気を送るわけです。その時点で目盛りが動き、血圧値(予想値)に約30程度上乗せした値まで加圧続行をし、目的+上乗せ値まで加圧を行った段階でストップしましょう。

目盛りを読みながら

さて、実際の血圧を知るにはどうすれば良いのでしょうか。まずはゴム球の排気バルブを徐々に緩めながら減圧します。すると、目盛りをよく見ると水銀が下がり血管音が聞こえ始めているわけです。この時点で最高血圧がわかるわけです。逆にバルブが緩めることにより脈音が大きくなりますが、ほどなくしてその音が小さくなり最終的に聞こえなくなるのが最低血圧というわけです。

測定値における末尾に関する数字の読み方に関しては、偶数値読みが基準となる為、中間値に関しては低い値を取ることになります。その後は測定した日にちや時刻、そして室温などを記録しておきたいものです。すべての測定が終わったら、ゴム球にあるバルブを左に回してから緩め、目盛りが0になったのを確認してから腕帯を取り外しましょう。

そして本体を45度右側に倒してから水銀がタンクの中に全部戻るようにし、最終的な確認をしたら、コックを右に閉じるという動きをもって測定は終わるわけです。

まとめ

水銀式血圧計と目盛りの関係についてお話ししましたが、近年はアネロイド式血圧計という水銀を使用しない方式が主流になっており、水銀対策を考慮しての結果ということです。水銀計測を必要としない為に目盛りはデジタル式へと移り変わってきています。

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