MRI検査を受ける際になぜヘアピンを外すのか
MRI検査を受ける際に様々な注意事項があり、検査の前に確認をしなければなりません。では、なぜヘアピンなどを外す必要があるのでしょうか?どのような理由で危険なのかを踏まえて、ご紹介していきましょう。
MRIの原理
本題に入る前に、簡単にMRIの原理を説明していきます。ざっくり言うと、MRIは磁石と電波を使用し断面像として体内を描写する医療機器です。トンネル自体が巨大な磁石となっており、物質が強力な磁場の中に置かれます。
そこへ、特定の周波数の電波を照射させることで、その中の水素原子が同じ方向を向きます。これを「磁気共鳴・励起」といいます。その後、電波を切ることで各組織(水・骨・脂肪・癌など)は、それぞれの速さで元の方向に戻っていく性質があります。これを「緩和」といい、この戻る速さによって生じる違いを白黒で表したものがMRIです。
MRIでNGな物とは
上記でも述べた通り、MRIは強力な磁石を使用しているため、金属類などがNGだという事はご理解していただけると思います。それ故に、検査を受ける際に様々な注意事項を守らなければならないのです。
では、具体的にどのような物がNGなのか、どのような事が起こるのかを見ていきましょう。
ヘアピンの場合
頭にヘアピンを装着したままで検査を受けるとどうなってしまうのでしょうか。
〇装置に引き寄せられたヘアピンが跳ね返って、患者に当たってしまい怪我をする。
〇ヘアピンが熱を持ち、火傷をしてしまう。
〇装置にヘアピンが入り込み、故障してしまう。
など・・・
その他にも画像がきちんと撮影できず、診断の妨げとなってしまいます。こういった事からヘアピンに限らず金属は厳禁とされているのです。
その他、NGとされている物
ヘアピン以外にも、持ち込みを禁止されている物があります。以下で見ていきましょう。
〇ネックレス・腕時計・ブレスレット・ピアス・イヤリング・指輪などの貴金属
〇眼鏡・補聴器・入れ歯・コンタクト
〇湿布・エレキバン・カイロ・ニトロダームテープ(貼る面が銀色の物)
コンタクトにおいては一部に縁取りや濃い色の場合など、金属を含んでいる可能性があるため、検査に装着して問題ない物かどうか事前に確認する必要があります。(取扱説明書など)
また、メイクはマスカラやアイシャドーなどに金属成分が含まれているものがあり、瞼や顔を火傷する可能性がありますので注意が必要です。
医師との相談が必要な場合
主に体内に入っている物で気を付けなければならない場合がありますので、医師と相談してから検査をする必要があります。
〇ステント(冠動脈・動静脈・胆管など)
〇血管などの塞栓用コイル
〇矯正ブリッジ・インプラント
〇人工弁(金属製)
〇下大動脈フィルタ
〇人工関節・人工骨頭・プレート・ワイヤー
〇入れ墨(眉も含む)
まとめ
検査を受ける際には、様々な注意事項があります。今回は、ヘアピンなどの金属製の物がどのような影響を及ぼすかなどを含めご紹介してきました。中には意外な物がNGであったりと、気づかないような場合も多々あったのではないでしょうか。検査前に必ず、確認を怠らないように安全に検査を受けましょう。