心電図におけるドクターコールが必要な事例とは
心臓が活動する時には電気的な変化を波形で表しております。通常では見られない特殊な波形を見つける事で、心臓の筋肉の異常や脈の乱れを発見し、心筋梗塞や狭心症などの病気を疑う事ができます。特にドクターコールを必要とする事例があるので紹介していきましょう。
ドクターコールとは
ナースコールのように患者の容体を見て、看護師が通常の対処法で事足りる場合もありますが、看護師ではやってはいけない医療行為にあたる処置が必要な場合や、緊急を要する状況の場合にドクターコールが必要となり、医師の判断や処置が必要となります。
ドクターコールと心電図の関係性
特に不整脈の場合の心電図には、心臓の異常な興奮を示す心室性期外収縮が疑われます。心室性期外収縮が連発する事で、突然死が起こるケースもあるので、その緊急度の段階を示す重篤度によって、ドクターコールが必要になっているのです。
ドクターコールの対象となる心電図
危険な状態を判断する為には、ドクターコールの必要となる状態がありますので紹介しましょう。
以下のような正常な状態ではない事を判断して緊急性が高い状況で、ドクターコールを必要とします。
1.極端な頻脈を示す180以上の心拍数
・発作性上室性頻拍 (PSVT)のように心臓内の心室以外の組織から毎分160~220回の頻拍の状態になり、動機や息切れがあり、胸痛などがあります。
・完全房室ブロックが起こると、房室結節での連絡がブロックされて完全に途絶えている状態になり、心停止の恐れがあります。
・他にも、3.0秒以上ポーズした波形の場合は危険な状態です。
2.心拍数が40以下になる極端な徐脈
・脈が遅くなる「徐脈」の場合は、40以下になる極端な場合は、心不全や冠動脈疾患の疑いがある状態です。
3.ST波形の上昇と低下の場合
・急性下壁心筋梗塞を疑うST波形の上昇
・急性前壁中隔心筋梗塞の症状であるST波形の上昇
・マスター負荷心電図により負荷後3分ぐらいで労作性狭心症を疑うST波形の低下
4.多発する異常な波形
・意識はあるが吐き気や気分不良は心室頻拍 (VT)を疑う波形が多発
・意識不明な状態で心室細動(VF)を表す波形
Lown分類とは
心室性期外収縮の症状には、いくつかの状態を示す心電図の波形があり、重篤度の段階による分類を、Lown分類と呼びます。グレイドの0~5に分類されておりグレイド3以上の場合は、ドクターコールが必要です。
グレイド0=心室期外収縮無し
グレイド1=散発性で、毎分につき1個あるいは1時間以内につき30個を示す
グレイド2=散発性で、毎分につき1個あるいは1時間以上で30個を示す
グレイド3=期外収縮波形の種類が複数ある場合の多発性
グレイド4=2連発する場合や3連発以上ある場合
グレイド5=短い連結期(R on T現象)
まとめ
ドクターコールは看護師などの資格だけでは対応できない状況です。心電図の場合には、緊急性を判断できる事が重要で、いくつかの異常な波形の状態を覚えておき、患者の状態や状況に応じてドクターコールを必要とします。