様々な手術台と対応体重
手術を行う上で絶対に必要不可欠となる物、それは手術台です。手術台には横になって使う一般的な物から、座って使う物、そのどちらにも対応した物など様々な種類があります。今回は、手術台の種類と対応する体重についてお伝えします。
手術台で支えられる体重は何㎏まで?
一般的に使われている手術台ではおおよそ体重が135kgまで、一部の特殊な手術台では体重500㎏まで対応している様です。体重の極端に重い患者さんの手術には、身体の部位毎に角度を自由に変える事の出来る電動手術台を用いる事もあります。
手術台の種類
脊椎手術の場合は、患者を手術台の上に伏臥位(うつ伏せ)にします。ENT手術(耳鼻咽喉科の手術)の場合は半座位という様に、手術によって体位は様々です。
手術台は患者が横になる、あるいは座る部分と、高さ・傾斜を調節するための機構の部分からなっています。手術台の高さと傾斜を調節する機能は、基本的にどの手術台にも備わっています。また、手術台には床に固定された物と、車輪の付いた移動可能な手術台とがあります。
最近は電動手術台と呼ばれる種類の手術台を導入する医療機関も増えています。電動手術台とは、従来は手動でクランクを回すなどして調節していた台の高さと傾斜角度を、電気モーターとアクチュエータを使って調節できる機構を備えた手術台の事です。リモコンで操作可能です。
そのほかに油圧式手術台という物もあり、これは油圧を利用して台の高さ・傾斜角度を調節できる機構を備えているのが特徴で、主にペダルを踏んで調節します。
なかには、電動アクチュエータと油圧アクチュエータの両方を備えている手術台もあります。高機能な手術台はその価格のみならず、メンテナンス性も考慮して選定する方が良いでしょう。
通常の手術台(万能手術台)と専門的な手術台は区別されます。
〇万能手術台
汎用性があり、様々な手術に使用されます。
〇婦人科用手術台
足を支える部品があり、横になる部分も起こしたり寝かせたりする事が出来ます。
〇整形外科手術台
けん引装置と脚サポートが備わっており、取り扱いも容易です。
〇眼科用手術台
特殊な形状のヘッドレストを備えています。
手術台を選ぶ際の注意点
手術台の外形寸法を把握し、手術室内で安全に取り回せるかどうかは必ず確認しておく必要があります。電動式の手術台なら、近くにコンセントが必要になります。けん引装置や点滴スタンドなどの付属品のスペースも必要になります。
万が一の事態を考え、手術台表面の不燃性・難燃性、そしてなにより、患者の(特に肥満の患者の)転倒・転落を避けるために手術台の耐荷重量の確認は最優先事項になります。
まとめ
今回は手術台の種類と耐えられる体重(耐荷重)についてお伝えしました。手術台を新たに買い替える際は、手術の内容に応じた様々な種類の手術台があります。手術室の広さと動線を考慮して、無理なく使用できる物を選びましょう。