手術台の種類とその機能

手術時に患者さんを乗せ、その姿勢を確保する際に用いられる手術台。適切な手術を行うため、手術台にはどのような機能や条件が必要となるのでしょうか。加えて、手術台にはどのような種類があり、それぞれどのような特徴があるのか、そういったところについて見ていきたいと思います。

求められる機能や条件

手術台は、ただ単に手術を受ける患者さんを乗せられれば良いというものではありません。
手術あるいはそれに類する処置を行う際に、適切かつ安全に施術に取り掛かれるようにするため、使用する手術台に関しても考慮することが重要です。

手術台に求められる機能としてまず挙げられる点は、台の高さや傾斜角度の調整に関する部分と言えるでしょう。これによって、手術箇所について適切なポジショニングがなされ、執刀医にとって施術し易い体勢の維持が可能となるわけです。

位置調節機能を活用することにより、稼働させない場合以上に精密かつ正確な処置を施せられれば、手術による治療効果向上にも繋がるでしょう。そのような手術台の位置調整は主に、リモコンで操作する電動式や、ペダルを足で踏んで調節する油圧式、または双方の作動モードを併用するタイプも見られます。

また、患者さんの安全を確保するための条件も欠かせません。感染リスクを抑制するため、台の表面など患者さんの身体に接触する箇所には、抗菌に適した素材を用いることが重要です。

加えて、万が一の事故に備え、患者さんからの加重を受けつつ位置操作を行うための耐加重量・不燃性・帯電防止性といった面も、考慮に入れるべきと言えるでしょう。

種類および用途

主に多くの臓器が内蔵されている胴体部分の手術を行う際には、万能型手術台が用いられます。位置調節機能により、多様な手術体位を取ることが可能です。広範な手術内容に対応でき、汎用性の高いタイプと言えるでしょう。

他方では、特定の手術使用に特化した専用手術台という種類も存在します。患部によっては、より効果的な治療を実現するため、手術台の構造自体を手術内容に合わせたものとする必要があります。

また、手術に際して、特定の付属物などを使用するケースもあり、それに対応できる構成であることも求められます。そう言った観点から、専用手術台の有用性が認められるわけです。

専用手術台には、様々な用途に合わせたタイプが存在します。その一部として、以下のようなものが挙げられます。

・婦人科用手術台：出産時の開脚状態を維持するための器具が付属しているなど、分娩に適した構造となっています。
・整形外科手術台：足サポートや牽引装置を併用することができ、患者さんを楽に動かせます。
・眼科用手術台：頭部を支持するヘッドレストなど、目の手術を行う際により有効な機能が備わっています。

まとめ

以上のように、手術台には患者さんの安全を維持すると共に、執刀医が手術を行い易い体勢を維持するための機能を有することが望ましいということについて確認してきました。汎用的に使える万能型と、特定の状況に対応した専用型を使い分けることで、より質の高い医療提供に繋げていくことができるでしょう。