手術台の耐用年数
医療の現場に欠かすことのできない設備の一つに、手術台があります。患者の身体を支え、安全に手術を行う為になくてはならない物です。今回は、普段あまり意識する事の無い手術台の耐用年数についてお伝えします。
耐用年数と耐用寿命と耐用期間
医療機器に限った事ではありませんが、事業で使用する設備には国の定めた「法定耐用年数」があります。そしてそれとは別に「耐用寿命」という概念があり、更にメーカーの定めた「耐用期間」があります。
これらの言葉は非常に似ていますが、意味は全く違います。税務処理に関する事なら「法定耐用年数」、実際にその危機を安全に使用する期間を知りたいのであれば「耐用期間」を確認しましょう。
1.耐用年数
大蔵省令に基づいた減価償却資産の耐用年数です。その医療機器の直接的・物理的な耐久性とは全く別物で、税務処理の為の減価償却費算出の数値の事を言います。
2.耐用寿命
物理的・経済的 ・医療技術的・企業戦略的な種々の条件により、結果としてその機器が使 用できなくなるまでの期間の事を言います。
3.耐用期間
その医療機器の標準的な使用状況と標準的な保守状況下において、交換部品・捕用品等を交換・修理・オーバーホールを行ってもなお、その機器の信頼性及び安全性が目標値を維持できなくなる予想される耐用寿命のことを言います。
手術台ごとの耐用年数・耐用期間
ここからはいくつか例に取って、手術台毎の耐用年数・耐用期間を見ていきましょう。
ゲティンゲグループ・ジャパン株式会社 アルファクラシック万能手術台
使用耐用年数(自主基準)※指定された保守点検を実施した場合に10年
株式会社モリタ製作所 ブルマバOPプリムス
法定耐用年数(償却年数) 7年
株式会社モリタ製作所 ブルマバCLジニアス
法定耐用年数(償却年数) 7年
タカラメディカル 整形外科用手術台DR-6200の場合
耐用期間 10 年
耐用年数は医療機器の会計処理
病院の設備類は会計処理を行う場合に、固定資産として調達を行います。その方法としては、購入するかリースによって借りる場合もあります。
経理を行う際には、医療機器の分類ごとに「法定耐用年数」が定められており、手術台の場合を5年とする場合と、「その他の分類」では金属類などの材質によって5年から10年の耐用年数に分ける事ができます。
減価償却を行う
5年の手術台を減価償却する場合には、毎年ごとに購入費用を5等分して経費として計上する事で、必要経費としの会計処理を行います。例えば50万円の手術台を購入した場合には、5等分すると毎年10万円の減価償却ができるのです。必要経費として計上する事は、事業を行う意味での節税効果を生む事になります。
経理専門の仕事として重要であり、必要ならば税理士の指示を仰ぐ事も方法の1つです。
まとめ
今回は法定耐用年数・耐用寿命・耐用期間についてお伝えしました。これらの用語を混同することなく、きちんと税務処理し、また手術台は常に安全な状態で使用できるようにしましょう。