手術台における抑制帯の使い方
抑制帯と聞くと、何か怖い感じがするものかもしれません、しかし、通常の手術でも抑制帯を使う事はそれほど珍しいものではありません。問題のない手術において抑制帯を使う場面とはどのようなものなのでしょうか。今回は手術台で使われる抑制帯についてご説明致します。
手術において手術台の役割
手術室において行なわれる手術には様々な物があります。一般的な外科手術から特殊なものまで多くの手術が行なわれますが、必ずと言ってよいほど、どの手術にも手術台が必要です。その為、手術台にも幾つかの種類があります。
用途にあった手術台は、手術の効率を上げ、患者への身体的負担などを軽減させるため、広く貢献しています。安全に処置を行うためにも用途にあったものを選ぶことが、効率的にもよい手術を行なうためには必要です。
抑制帯
抑制帯とは、物理的に身体の動きを制限するために使われるものです。骨折などの際に使われるギブスなども身体の部分的な動きを制限するものですが、これらは抑制とは呼びません。
今回は手術台で使われる、抑制帯についてその用途などを考えてみたいと思います。手術室には、多くの器材や機器などがあり、一つ間違えると大きな事故に繋がりかねないリスクが存在します。
勿論、手術室は安全な所です。医療スタッフが事故に結びつくような事がないように細心の注意を怠りません。しかし全身麻酔などを施し受けるような手術ですと、意識が朦朧とした場合や意識がない状態ですと予測できない動きを患者がする場合もあります。
その為に体位を固定する必要が生じる事もございます。その固定する器具の中に抑制帯と呼ばれるものがあります。この抑制帯は手術台に患者の身体を固定し、手術台からの転落や身体の移動を防ぐ目的で使用されるものです。
抑制帯には種類があり、手首や足首などを抑制するものから、上半身や頭部を固定するものなど様々です。何ずれも抑制部分を保護し、傷つける事がない様な素材で出来ているものが殆どです。
手術台で使用される抑制帯は、麻酔の効いた状態から使用されることが多いので、患者が意識出来るものではない事が殆どです。気が付かない状態で装着され、術後には解かれることが多いので、その存在を気にすることがないものです。
手術台で使用される抑制帯の存在は、このように患者が特に注意を払う必要のないものです。全ては安全に効率よく手術を完了させるために、使用されるものであり、患者の意思に反して身体の拘束に使用される物とは、まったく違うものと言えます。
まとめ
抑制という言葉だけを聞きますと、あまり良いイメージを持たない方も多いと思いますが、手術における抑制とは、あくまでも手術を受ける患者の安全を第一に考えられていると理解しておく事は重要です。抑制と拘束の意味の違いをよく理解しなければ、無用な心配や不安につながる恐れがある事に留意しなければなりません。抑制は手術においては必要な医療処置であるとご理解下さい。