手術台の高さ調整の技術について
手術台は医師やスタッフが施術を行いやすいよう、その「高さ」がとても重要になってきます。現在では自動的に高さを調整する技術も進歩しており、電動式の手術台も普及しています。今回は具体的に、その内容について見ていきましょう。
手術台の種類
一般的な手術台は、医師がストレスなく手術が行えるよう、高さや傾斜は調整することが出来るように作られています。手術の内容に応じて、複数の付属品を追加する事も可能です。代表的な手術台は、以下の2点になります。
万能手術台
外科手術はもとより、消化器の手術や、比較的小規模の手術で使用されるタイプになります。行いたい施術に対して幅広く対応でき、耳鼻咽喉科用手術・泌尿器科手術・婦人科用手術・心血管などの手術に適応します。
専用手術台
万能手術台よりも、さらに専門的な手術に使用されます。その構成や付属品によって種類は異なり、たとえば眼科用手術台では、特殊なヘッドレストを備えています。
また、整形外科手術台では、脚サポートと牽引装置を共に用いることが可能で、取扱や操作も容易です。それによって安全に患者様を動かす事が可能となります。
他にも婦人用手術台は、Goepelタイプの足の支えが付いていて、且つ手術台を起こしたり寝かしたりできます。このように外科手術では、固定された手術台よりも移動可能な手術台が多く使用されます。
手術台の機能について
電動式の手術台の高さや傾斜角の調整には、大きく2種類のメカニズムがあります。昇降に電動モーターを使用する電動アクチュエータと、モーターではなく油圧式ダンパーを採用した油圧アクチュエータです。あるいはそのハイブリッド版も存在します。
電動アクチュエータ
電気でモーターを駆動させ、手術台を調整する仕組みになります。特徴としては、低速でもパワーがあり、かつ動作が安定していて、スムーズな速度調整や運転が可能です。
油圧アクチュエータ
油圧のメカニズムは注射器や自動車のブレーキと原理が一緒で、密閉された状態の液体に圧力をかけると、全体の圧力が同じだけ増加するという物理法則を利用しています。小さな力で大きな出力を生み出せる点がメリットとなります。
油圧アクチュエータを使用する手術台の場合、高さなどの調整は、医師が足元のペダルによる操作で行います。
ハイブリッド式の場合
上記の通り、手術台には電動と油圧を併用した、いわゆるハイブリッド版も存在します。異なる駆動方式を組み合わせることにより、例として頭部などの特に繊細な部位には電動式、そうではない部分には油圧式などを採用することで、より高い汎用性を持たせることを可能にしています。
まとめ
手術台の高さを調整するための技術について見てきました。手術に求められるのは、高水準の安全性と柔軟性です。医療器具は日々進化しています。運用効率を高めるために、これからも最先端のシステム手術台は開発されていくことでしょう。