レーザーメスを用いる際の注意点

治療用機器

手術の際に、欠かすことの出来ない道具であるメス。その中でも現在、広く普及しているのがレーザーメスです。レーザーメスには、それまでにあった他のメスにはないメリットがありますが、使用上の注意もあります。順番に解説いたします。

レーザーメスとその他のメスの注意点

ここからは、レーザーメスとその他のメス、それぞれの取り扱い上の注意点を解説します。

金属製メスの注意点

医療用のサージカルステンレスで出来ている金属製メスは、最も一般的なメスで昔から使われています。医療用の金属製メスは、専門の向上で1ミクロン(0.001mm)の精度にこだわって製造されています。金属製メスの刃の部分はとても鋭いので、誤って手をケガする事の無い様細心の注意が必要です。

電気メスの注意点

電気メスはその特質上、先端は大変な高温になります。切創中はもちろんですが、手術の最中に電気メスから手を放してドレープの上に置くと思わぬ事故に繋がります。患者の体を覆うドレープの上に電気メスを置いたところ、電気メス先端部の熱でドレープが焦げ、その下の患者の身体を火傷させた事例が報告されています。

電気メスの先端は使用時で300℃以上、出力を停止したあとも100℃以上の高温の状態がしばらく続きます。手術が終わっても気を抜く事の無い様注意が必要です。

手術中に電気メスから手を放す場合は、ホルスターへ収納するか、機械台の上の膿盆へ置きましょう。やむを得ず患者の体の上に置く場合は、直接ドレープの上に置くことは絶対に避け、シリコンマットを敷いてその上に置く様にして下さい。

レーザーメスの注意点

レーザーメスの第一の特徴は、切創時に出血が少ないという点です。高温となるレーザーを患部に照射する事で、切開と同時に止血(血液の凝固)もなされることにより、その効果が得られます。術後の痛みや腫れが少なく抑えられる、優れた特徴と言えます。

また、レーザーメスは、直接患者の幹部に触れないという特徴があります。その為、既定の出力で施術を行う事により、執刀する医師の技量に関わらず同じ仕上がりを期待することが出来ます。

メリットの多いレーザーメスですが、注意点もあります。レーザーメスを使用する上での注意点は、電気メスの場合と同じく火傷です。高温となるレーザー照射部を患部以外の部分に充てると、患者は火傷してしまいます。取り扱いに細心の注意が必要である点は、他のメスと同様です。

レーザーメスが原因!? 火災の事例

過去の事例として、レーザーメスを用いた手術中に患者に掛けていた毛布から火が出る事故がありました。詳細な原因は不明ですが、レーザーは高温を発する機器であるという意識は常に持ち続けた方が良いでしょう。

まとめ

今回は、レーザーメスとその他のメスの特徴を見ながら、併せてそれらの使用における注意点を解説しました。それぞれの特徴を知り、適切に扱う事を心掛けましょう。

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