医療機器の大手メーカーとは?世界的に見た日本のシェアや将来性は?
医療機器は様々なメーカーが取り扱っていますが、大手といわれる企業も少なくありません。
そこで、医療機器大手といわれるメーカーや、今後の医療機器業界の市場や将来性について説明していきます。
医療機器とは
医療機器とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の第2条第4項で定めのある次の定義を満たす機械・器具です。
・人や動物の疾病の診断・治療・予防に用いる機械・器具
・身体の構造・機能に影響を与えることを目的とした機械・器具
・政令で定められた機械・器具
日本の医療機器は薬機法で次の3段階に分けられています。
・一般医療機器
・管理医療機器
・高度管理医療機器
国際的に医療機器規制国際整合化会議GHTFで定められた4クラスに分類されますが、この国際分類を上記3つの段階に適用した4分類が厚生労働省から通知されています。
医療機器の大手メーカー
医療機器の大手メーカーといわれるのは、年収の多い順に挙げると次のとおりです。
①富士フィルムホールディングス
②日本ライフライン
③オリンパス
④日本光電工業
⑤オムロン
⑥島津製作所
⑦フクダ電子
⑧日本電子
令和2年の「経済産業省における医療・福祉機器産業政策について」では、日本の医療機器市場は2004年以降増加傾向にあるとしています。
2017年には過去最大市場規模といえる3兆円を記録していますが、日本はアメリカに次ぐ世界2位の市場となりました。
医療機器を大きく分けると、
・診断機器
・治療機器
・その他の医療機器
の3つですが、この中で日本の市場規模の約6割を占めるのは治療機器(内視鏡・超音波診断装置・X線撮影フィルム・体温計・血圧計・心電計・MRI・X線CTなど)で、2割を診断機器(カテーテル・人工関節・人工骨・人工肺・心臓ペースメーカー・注射器など)が占めています。
医療機器メーカーの将来性
日本は世界的に見ても医療機器市場は拡大傾向にあるといえますが、2030年には約87兆円まで拡大することも予想されています。
医療機器市場は将来性が高いといえますが、日系企業は診断機器分野で国際競争力を保持しているものの、治療機器分野は国際競争力が弱くそのシェアは欧米企業が占めている状況です。
世界2位の市場といわれる日本でも、医療機器の多くは輸入に頼っているのが現状であり、治療機器分野で海外企業に大きな遅れをとっていることから、今後は国内の大手メーカーがシェアをどのように占めるか期待されるところといえるでしょう。