医療機器「パルスオキシメーター」でわかることや使用される目的について解説
新型コロナウイルス感染症が拡大したことによって、医療機器である「パルスオキシメーター」が注目されるようになりました。
パルオキシメーターとは、コロナ感染者が肺炎になっていないか早期に発見するための医療機器として、軽症者宿泊施設で活用されるようになったことで知られるようになったといえます。
しかし実際には、パルスオキシメーターで何ができるのか、そもそも何がわかるのか十分に理解されているとはいえません。
そこで、医療機器「パルスオキシメーター」でわかることや使用される目的について解説していきます。
パルスオキシメーターとは
「パルスオキシメーター」とは、指先に光をあてることで動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定できる装置です。
採血する必要がないことは大きなメリットであり、手術室・集中治療室・呼吸器科・内科・循環器科などの外来や病棟などで使用されることが多いといえます。
1977年にコニカミノルタが世界に先駆け、指先で測定する機器として開発したのが現在主流として使われているパルスオキシメーターで、40年以上に渡り小型化・軽量化が進んでいます。
そして現在では測定・計算・表示が一体化された質の高いフィンガータイプのパルスオキシメーターが医療現場で使われており、往診や訪問看護、慢性呼吸器疾患患者の自己管理や高齢者の体調管理など用途の幅も広がりつつあります。
パルスオキシメーターの目的
パルスオキシメーターの目的は、病状の重症度を判断することです。
特に急性呼吸不全が起きるリスクの高い慢性疾患患者の日常管理や、医療機関の患者や介護施設の入所者の病状判断などに使われます。
リアルタイムで血液の酸素供給が正常か測定できるため、生命維持に最低限必要な酸素供給を失わないための連続した監視が目的です。
入院中にも、日々の体温や血圧の測定の際にパルスオキシメーターで酸素飽和度を測りますが、これは体内で生じた不具合などを原因として酸素飽和度に何らかの影響があらわれていないか確認するためといえるでしょう。
高齢者や基礎疾患を持つ方などは、新型コロナウイルス感染症に感染した場合、重症化するリスクが高いと言われています。
重症化による生命危機を防ぐためにも、体内で異変が発生していないかパルオキシメーターで確認しているといえます。
酸素の飽和度とは
血液中の酸素の99%近くは赤血球のヘモグロビンによって運ばれるため、酸素飽和度とはヘモグロビンが運ぶことのできる最高の状態に対して、実際にどのくらいの酸素を血液中に取り込むことができているかをあらわします。
そのため肺炎などで肺がダメージを受ければ、肺から血液へと酸素を運ぶことはできなくなり、酸素飽和度も低下することになります。
以上のことから、パルスオキシメーターを使用することで、肺炎の重症化の可能性を早期に発見できるといえるでしょう。