医療用語として使われている「ドリップ」や「アイ・ブイ」とは何を意味する言葉?
医療現場では様々な医療用語が使われていますが、カタカナや英語の言葉であればそのまま外国人のドクターや患者に通じると考えがちです。
しかし実際には、カタカナ英語や英語ではない外来語に造語など、いろいろな医療用語も存在するため、外国人のドクターや患者には通じないこともめずらしくなりません。
たとえば「ドリップ」や「アイ・ブイ」などの言葉は、医療用語として何気なく使われている言葉ですが、何を意味する言葉なのか説明します。
「ドリップ」や「アイ・ブイ」の意味
医療用語で「ドリップ」とは「点滴」や「点滴装置」を意味します。
また、「アイ・ブイ(iv)」は「静脈注射」を意味する英語の「Intravenous Injection」の「Intravenous」を略した用語ですが、もし言葉に発して通じなかったときには「v」の発音に注意しましょう。
「v」は「ブイ」ではなく「ヴィ」と発音するため、「b」の発音に近いイメージでとらえておくとわかりやすいはずです。
日本の医療現場では、
静脈注射「iv」
点滴静脈内注射「DIV」
という略語が使われますが、このうち「DIV」の「D」は点滴の「ドリップ(drip)」の頭文字がつかわれています。
英語圏の医療現場では、
静脈注射「IV push」
点滴静脈内注射「IV drip」
が使われます。
静脈注射とは
静脈注射とは、静脈内に薬液を直接投与する方法のことで、効果の出現がもっとも早いことが特徴です。
命にかかわる緊急事態のときに用いられる方法で、点滴も静脈内注射の1つであり、通常の注射よりも薬物・水分・栄養分などを多く注入するために適しています。
通常の静脈注射は末梢の静脈に行いますが、たとえば高カロリー輸液や混注できない薬剤の投与では中心静脈が用いられています。
看護師で対応できる静脈注射の種類
静脈注射は看護師が対応してもよいのかといった行政解釈が議論された歴史もあり、一時は看護師による静脈注射行為は違法とされたこともあります。
しかし平成14年9月に、厚生労働省は看護師等が行う静脈注射は診療補助行為の範疇として取り扱う行政解釈の通知を出したことで、看護師が静脈注射を行っても違法ではなくなりました。
ただし看護師でも対応できる静脈注射は次の2つとされています。
・静脈(内)注射(ワンショット・静注・iv)
・点滴静脈注射(点滴・DIV・IVD)
点滴静脈注射とは約50mlを超える量の薬剤を投与するときの静脈注射で、緩やかに時間をかけ薬剤を投与するときにも使われます。