応急処置が必要になる場面とは?その種類と重要性について解説
「応急処置」が必要になる場面はいろいろありますが、負傷や病気などに対しさしあたり手当を行うことです。
具体的に応急処置とは、
・心肺蘇生
・AEDを用いた電気ショック
・異物で窒息をきたした場合の機動異物の除去
の3つが該当し、訓練を救急隊員が行う行為と定義されています。
しかし状況によっては、応急処置を求められる場面もあります。
そこで、応急処置が必要になるのはどのような場面なのか、その種類と重要性について解説していきます。
応急処置が重要である理由
応急処置が重要である理由として、たとえば救急事故が発生したときに、現場付近に居合わせた方が適切な応急手当を速やかに行うことで、傷病者の救命率が向上することが挙げられます。
実際、救急事故発生現場に救急車が到着するまでには一定の時間がかかりますが、付近に居合わせた方や住民などが何らかの応急手当を施すことはなく、放置してしまう事例は少なくありません。
消防管内から救急車が現場に到着するまでにかかる時間は、場所によるものの5~6分程度でですが、時間内に応急処置が実施されていなければ助かる命であっても助からなくなる場合があります。
突然の事故や病気で倒れた人がいた場合、居合わせた人たちで協力し合い、応急手当をすみやかに行うことが求められますが、救命には次の3つの連携が重要になるといえます。
・周辺に居合わせた住民による速やかな応急手当
・救急隊員の応急処置・搬送
・医療機関の処置
応急処置が必要といえる状態
応急処置が必要になるのは、
・脳卒中・心臓病などの急病
・骨折や出血を伴うケガ
・熱傷
・プール・海川・風呂などでの溺水事故
・異物による窒息
・その他急な事故
などの状態や事故があったときです。
どのような応急処置を行うべきか迷うこともあるでしょうが、状態に応じて次の種類の処置を選ぶことになります。
・呼吸が止まったとき…人工呼吸
・心臓が止まったとき…胸骨圧迫
・呼吸と心臓が止まったとき…心肺蘇生
・大出血があったとき…止血
・手足の骨が折れた時…副子
・やけどを負ったとき…冷やす
・意識がない・意識朦朧で嘔吐…適した姿勢の保持
心臓や呼吸が止まってしまったら
心臓が止まったことで血流が停止すれば、脳がまず障害を受けることとなり、10秒で意識を失います。
1分以内に呼吸も停止し、3~4分経過すれば後に血流が回復しても麻痺や植物状態になるリスクが高くなります。
10分を過ぎれば脳機能回復は望みにくくなるため、救急車が到着するまでの間の応急処置が重要です。
酸素なしで生きることができる時間は3~4分と言われており、呼吸や脈拍が触れなくなった状態では回復させることが難しいと理解しておくべきでしょう。