外来医療の問題点とは?大病院や救急への外来が集中するリスクについて解説
外来診療とは、医療機関で受付し、診察・検査・処置や治療などを受けて、会計を行うことです。
個人のクリニックでは対応できない疾患などは大病院に、医療機関が営業していない夜間や休日などは救急外来を受診することが多いといえますが、現在の外来医療にはいろいろな問題があるといえます。
そこで、外来医療の問題点と、大病院や救急への外来が集中するリスクについて解説していきます。
現在の外来医療の問題点
現在の外来医療の問題点として、一部の医療機関に患者が集中してしまうことが挙げられます。
医療機関の情報を十分に得ていないため、どの医療機関の外来を受診すればよいかわからないというケースもあり、結果として一部に集中するという傾向が見られます。
また、軽症で大病院など受診する必要がない場合でも、大きな医療機関のほうが安心と考え、大病院に集中するというケースもあるようです。
仮に患者が大病院に集中すると、それぞれの患者の待ち時間は長くなり、外来担当の勤務医の負担も増します。
そもそも身近な存在であるかかりつけ医の機能を強化していくことが、今後の高齢化の進む日本では重要と考えられるでしょう。
初診から大病院の外来利用者が増える問題点
地域の診療所やクリニックは、どこがよいかわからないため、大病院のほうが安心と考える方もいます。
そのような理由で大病院を受診する患者が増えると、平日は時間がないため比較的患者の少ない夜間に救急外来を受診する患者を増やすことになります。
大病院や救急外来に患者が集中してしまうと、それぞれの患者に対する診察時間は短くなり、丁寧な説明などもできなる可能性が出てくるでしょう。
医師の負担も重くなり、質や安全が低下するリスクを高めます。
救急外来に軽症者が集中する問題点
そもそも救急外来は一般外来と違って、夜間や休日に救命処置や緊急性のある患者を対象とした外来です。
救急外来を提供できる医療機関数も限られており、医療を支える医療従事者の数も限られているため、かかりつけ医を気軽に受診する感覚では本来利用するものではありません。
効率的な医療ができなくなれば、急病人や重症患者に対応できなくなり、本来の役割や機能を失います。
そのためいきなり大病院や救急外来を受診しないようにすることや、医療機関を受診するときにはかかりつけ医を優先させることが重要といえるでしょう。